2019年12月15日

TOYO TIREトラック・バス用低燃費リブタイヤ
転がり抵抗を従来品比約9%低減

TOYO TIRE(清水隆史社長)は、転がり抵抗を同社従来品(ナノエナジーM166)比で約9%低減し、車両の燃費性能向上に寄与するトラック・バス用低燃費リブタイヤを開発し、来年1月から、「ナノエナジーM176」を新商品として日本国内市場で順次発売する。発売サイズは11R22・5 14PR、11R22・5 16PR、295/80R22・5 153/150J、245/70R19・5 136/134Jの4サイズで、価格はオープン価格。

ナノエナジーM176

一般的に走行中の自動車のタイヤは回転して路面を進む際、接地摩擦などの抵抗を受けることで、ゴム内部でエネルギーロスが発生する。ゴム内部でエネルギーロスの発生を抑えると転がり抵抗が良化するため、タイヤそのものの低燃費性能は向上するが、相対的に耐摩耗性能は悪化することになる。

 同社は独自のプロセス技術によって、ゴムコンパウンドのエネルギーロスをおよそ20%低減できるポリマー「ナノ・コンポジット・ポリマー」を開発し、今回、国内向け商品としては初めてナノエナジーM176に採用した。ナノ・コンポジット・ポリマーは同社が昨年3月に確立したナノ・バランス・テクノロジーにおける「ナノ加工」の進化技術(コンパウンド作製前に固形ゴム中のフィラー構造を最適化する同社独自の技術)によって生み出されたポリマー。フィラーの凝集塊が飛躍的に低減し、均一かつ高度に分散された理想的なフィラー状態を確保した。この結果、エネルギーロスを抑制できるゴム配合技術に成功している。

 タイヤの転がり抵抗低減への寄与度が最も高いキャップトレッド部およびベーストレッド部に、この独自開発ポリマーを採用し、ナノレベルでの高度な分散体を使用することで従来品と同レベルの高い耐摩耗性能を維持しつつ、転がり抵抗を低減させると同時に、タイヤパターンには「最適リブ配分」「リブ分断S字サイプ」「マルチピッチグルーブ」を採用することで、従来品の高い耐摩耗性能を維持、トラクション性能などの向上も図られている。さらに、経済性や耐久性、低燃費性能や環境性能をバランスよく向上させる、同社独自のトラック・バス用タイヤ基盤技術「イーバランス」を活用し、トラック・バス用タイヤに求められる複数の性能特性を高次元で満足させた製品を実現している。

 同社は、中期経営計画「中計’17」において、トラック・バス用タイヤの国内向け低燃費商品の投入を成長戦略の一つとして掲げて取り組んでいる。高い耐摩耗性能を維持しながら、背反する低燃費性能をより向上させたナノエナジーM176はトラック車両、バス車両の燃費改善に寄与するとともに、車両から排出されるCO2の削減にも貢献できるものとなるとしている。