2020年1月15日

西部工業用ゴム製品卸商業組合
新春トップインタビュー

新たな可能性に挑戦
若手経営者の参画を積極的に促す

【昨年を振り返って】
組合設立40周年という大きな節目を迎えた年であり、その祝賀に向けての準備を進めてきたが、メーンイベントである設立40周年記念式典も計画通りに開催することができた。昨年は、東部工業用ゴム製品卸商業組合や、中部工業用ゴム製品卸商業組合も創立40周年を迎えられ、両組合ともに記念式典が盛大に執り行われた。当組合においては開催のタイミングに恵まれたこともあって、令和元年を迎えたお祝いムードの中で、二重の高揚感に包まれての開催となった。ホテルとしての性質上、会場内での打楽器などの演奏は本来であれば遠慮せざるを得ないものの、当日はホテル側の了解が得られたことで、太鼓の演奏を交えてのにぎやかな式典を催すことができた。組合にとっての一大事業であると同時に、一昨年5月に理事長に就任して以来、初めて取り組んだ大きな事業がこの創立40周年であり、その責任の重大さを感じていたが、部会などを通じて若手社長の積極的な参加が得られたことなどもあって成功へと導くことができた。次の世代を担う人材も一体となって成し遂げた成果であり、組合の財産として後世に語り継がれるほどの価値がある。同時に組合員企業の世代交代が進んでいる状況がつぶさにうかがえ、この流れはぜひとも今後に向けて連綿と受け継がれていってほしい。そのためには若い世代がもっと参加できるようなイベントの企画の重要性を再認識した。これからも、長年にわたって組合の発展に貢献してきた重鎮の背中を見ながら、新しい可能性に満ちた若手経営者が活躍できる組合運営に力を注いでいきたいと思う。

【今年の主な事業計画について】
昨年は、組合設立40周年という大きな催しに向けて力を集中させていた背景もあり、実施を見送った海外視察を今年は従来通りに行う。日程としては、長期になると仕事の関係で参加へのハードルが上がることから、2泊4日程度にとどめようと考えている。そうした条件を前提にすると東南アジア圏内での視察になるだろう。希望としては組合員のメンバーが海外拠点を設けて稼働させている現場の見学を希望しており、可能であれば実現したい。視察日程の期間設定についても組合の中での意見をくみ上げたものであり、視察内容についても皆さんの意見に耳を傾けながら、構想としては7月辺りをめどに実施していく。

国内視察については、次世代経営者の会の主導で企画が進められている。今年は岡山県直島に3月辺りの実施で計画を詰めている。国内の工場や施設を見学することによって、仕事上での学ぶべきところは多いものの、勉強以外の部分でも参加することで次世代を担う者同士のコミュニケーションを深め、より一段と一体感に満ちた組合体制構築に向けての一端としての効果も引き出してほしい。

【業界が抱える課題への取り組みは】
後継者不足が次第に深刻化しており、実際に昨年も後継者の問題によって廃業を余儀なくされたケースがあった。流れとしては今後も次第に問題は大きくなってくる事態が予測されており、組合としては手をこまねいて見ているわけにはいかない。経営や事業の引き継ぎに関する問題については、個々の企業によってさまざまな事情を抱えていると思うが、われわれ組合としては協力できる方策を練り上げ、何とかうまく経営が引き継がれていくよう知恵を絞ってこの流れをせき止めたい。

世代交代だけではなく、企業存続の命脈としては、ビジネスモデルの変化への対応も課題となってくる。一般にビジネスモデルの寿命は17年と言われており、先代から引き継いだビジネスモデルをそのまま継続しているだけでは業務としての将来性が見えてこない。固定概念にとらわれない柔軟な発想を備えた次世代の経営者の下、その時代に沿ったビジネスモデルをつくり上げ、それを成長させてこそ企業としての存在が受け継がれる。

人材育成にも引き続き力を注いでいくほか、経営者同士の親ぼくに対しても今まで以上に力を入れていく。人材不足の解消に向けては外国からの受け入れという手段もあり、大学を卒業し、日本語にもたんのうな人材の活用というハードルはそれほど高くはない。女性の登用も良策であると考えており、ダイバーシティーに物事を突き詰めていくと、埋もれていた優秀な人材を発掘することができる。

【2020年における抱負は】
若手経営者の組合事業への参画を積極的に促していく。これまでもさまざまな取り組みを行ってきたが、老成した先達との距離感を縮め、若手にも自主的に参加してもらえるムードの醸成を何としてもやり遂げる。新たな人材が、いろいろな個性を発揮しながら組合という組織の価値向上に向けての重要な役割を果たす成果に期待を寄せている。先達によって引っ張り上げられながら新たな可能性に挑戦し、伝統を受け継ぎながら、今後に自らが中心となって活躍する場を、若手らが新たに見いだすことで組合は必ずやさらなる発展の道を遂げる。