2020年2月5日

デンカ
新高耐熱アクリル系特殊エラストマー開発

約190度の高耐熱性実現

デンカ(山本学社長)は、経営計画「Denka Value―Up」の成長戦略である「事業ポートフォリオの変革/スペシャリティー事業の成長加速」の一環として、アクリル系をベースに高耐熱性を実現した特殊エラストマーを新たに開発した。耐油性などといった従来の優れた性能を保持しながら、アクリル系エラストマーとしてはこれまで困難であった約190度の温度領域下での高耐熱性を実現した。

近年、世界的な環境規制の高まりを受け、自動車市場では電動化の流れとともに、ディーゼル車からターボ機能を搭載したガソリン車にも注目が集中。ガソリン車においては、一層の環境負荷低減に向けたエンジンのダウンサイジング化が進み、高出力を可能にする耐熱性に優れたターボホース用のゴムが求められている。

同社では、エチレン・酢酸ビニル・アクリル酸エステルの共重合体をベースに独自に開発したアクリル系特殊ゴム「デンカER」を展開している。耐熱性と耐油性に優れた特性を備えていることから自動車用ホース、ガスケットなどに使用されている。最近の環境対応による高耐熱ゴムのニーズを受けて、今回新たに開発した特殊エラストマーは、デンカERで培った高分子ポリマー設計技術、精密重合・配合技術を応用・深化させることによって開発にこぎつけた。