2020年2月5日

日本自動車タイヤ協会
賀詞交歓会

積み重ねてきた成果収穫

開会に先立ち、あいさつに立った清水会長は「世界に目を向けると米国と中国の覇権争いが顕在化し、貿易摩擦に発展したことで世界経済全体が大きな影響を受けている。英国のEU離脱についても、問題の契機となった移民政策や、経済財政政策においてEUの協調のほころびを繕うことは容易でない。混とんとした不確実性の高い時代をわれわれは生きており、一つひとつの判断が重要性を増していることを実感している。経済のデジタル化やボーダーレス化の進展によって世界の経済地図もこれまでと大きく塗り変わりつつあり、これらの変革に伴って人とモノの移動が飛躍的に増大し、その手段であるモビリティはさらなる進化を遂げていこうとしている。自動車産業界はこれまでとは異なる新たなモビリティ社会に向け、CASEという大きなうねりに直面している。

時代が移り変わる時、不易流行という言葉が思い起こされるが、これには先人の心意気が表れており、新しい示唆で新しいものを意欲的に取り入れていくと同時に、時代は変われど守るべきものは守っていくことが肝要だととらえている。自動車用タイヤにおいても、確かな安全という側面を守り、人の移動、モビリティ社会を支えることを再認識し、業界を挙げて取り組んでいかねばならない。昨年の国内自動車タイヤ生産量は、新ゴム消費量ベースで一昨年並みの106万6000㌧となった。われわれのタイヤ生産・供給事業が社会と経済に大きな影響を与える規模であることは明らかであり、環境という側面をもう一つの基軸として社会的責任を果たしていきたい。今年の干支の庚子(かのえね)は〝結実〟と〝発展〟を意味している。当協会としてもこれまで積み重ねてきた成果を収穫し、未来に向けた種まきをしていく年にしていきたい」と新年の抱負を述べた。

その後、来賓を代表して経済産業省の大内聡大臣官房審議官があいさつを行い、乾杯の発声に立った江藤彰洋副会長は「社会が大きく変わっていく中で、今年は進化に向けた重要なマイルストーンになる年と認識している。しっかりとこの変化を受け止めながら、それが日本のタイヤ産業のさらなる進化に結びつく努力をしていきたい」と乾杯のあいさつの中で述べ、同副会長の発声を合図に懇親パーティーがスタートした。