2020年4月25日

アキレス
日本陸上界初の中距離専門プロチームをサポート

ブルックスで契約
世界で戦える選手を育成

アキレス(伊藤守社長)は、米国ランニングシューズブランド「ブルックス」によるNPO法人「阿見アスリートクラブ」(事務所・茨城県稲敷郡、楠康夫理事長、以下、阿見AC)とのスポンサー契約を締結。今月誕生した日本陸上界初となる中距離専門プロチーム「阿見ACシャークス」のサポートを開始する。

ブルックスは1914年の創業以降、数々の革新的技術を搭載したランニングシューズでビギナーからトップアスリートまで、多くのランナーたちをサポート。18年には米国ランニングシューズ専門店における大人用ランニングシューズカテゴリー(販売価格100㌦以上)でナンバーワンのシェアを誇っている。

阿見ACは、茨城県稲敷郡阿見町周辺をベースに活動しており、今年で20年目を迎えた日本屈指の陸上競技クラブで、昨年の会員数は2039人で、その内訳としては定期練習会・306人、教室会員・179人、応援・支援会員・173人、イベント会員・1381人(重複あり)を抱える。クラブの理念は〝子供から大人まで元気にかけっこ〟で、キッズから大人まで17のコースと年間250日の指導を核として活動。クラブ最大の特長は〝世代間育成システム〟で、遊びとしてのかけっこが、競技スポーツとしての陸上競技になり、健康のための生涯スポーツになるまでの指導と環境を提供することを目的とし、それを総称して世代間育成システムとしている。

今回の中距離専門プロチームである阿見ACシャークス誕生のきっかけは、日常のランニングが身体と心に良い変化を与える〝ラン ハッピー〟をブランドアイデンティティにするブルックスと阿見ACの理念が融合。現代の日本は駅伝やマラソンに関心が偏り過ぎており、中学、高校、大学、実業団を通して駅伝に参加しなければ中距離(800~3000㍍)の競技ができない環境となっている。日本人中距離選手が世界を舞台に戦うための指導環境を整えた選手育成システムを構築し、トップチームを創造することは、日本陸上界の中距離選手の育成が遅れているという問題に対して一石を投じるものとなる。中距離競技者を受け入れる実業団が少ない中で、新たなプロ陸上競技選手像の確立を目指す。

阿見ACシャークスの練習拠点は、世田谷区用賀の駒沢公園陸上競技場や、渋谷区の代々木公園陸上競技場など東京が中心。外部委託指導者には、男子800㍍元日本記録(1分46秒16)保持者の横田真人氏、元東日本実業団男子800㍍優勝者で安全で効果的なトレーニングプログラムを計画・実行するストレングス&コンディショニングのスペシャリスト・マロン アジィズ航太氏を迎え、世界で戦える中距離選手の育成を行う。

ブルックスは走力やスピード、トレーニングシーンに合わせて使い分けできる幅広いシューズのラインアップが特長の一つ。中距離専門の阿見ACシャークス所属の3選手は、レースでは当然スパイクを履くことになるが、練習場所やトレーニング内容に合わせてさまざまなシューズに履き替える。使い方は三者三様ながら、それぞれが自身に最適なシューズをチョイスできることもラン ハッピーというブランドアイデンティティを掲げるブルックスの強みとなっている。ブルックスは、3選手へのシューズ、ウエア提供を含めたスポンサー契約と並行して、阿見ACの各世代選手へのシューズ提供を進めるとともに各種陸上教室、イベントなどでも積極的に連携を図る予定。

阿見ACシャークスの楠選手は「これまで日本には、中距離に特化したチームがなかったと思うので、こういうチームを定着させていくことが僕らの使命であると考えている。まだ日本の中距離は世界のトップカテゴリーでは活躍できずにいるが、僕らがしっかりと活動し、日本の中距離界の中心であり続け、それ相応の結果も残さねばいけないと思っている」とコメント。飯島選手は「日本の中距離イコール阿見AC、と言われるように中距離界を盛り上げたい」と抱負を述べた。田母神選手は「チーム、そしてブルックスと、新たなスタートを切ることで注目される意識と誇りを持って活動したい」と意気込みを述べている。