2020年4月25日

日精エー・エス・ビー機械
画期的な「二層成形法」開発

環境配慮型の容器成形が可能に

日精エー・エス・ビー機械(宮坂純一代表取締役)は、ワンステップインジェクションストレッチブロー成形機のリーディングカンパニーとして、画期的な「二層成形法」を開発した。

これまでの多層成形は、異なる材料の薄い膜を作ることで容器の性能向上を図ってきたが、同社が開発した二層成形法は、2種類の材料の組み合わせや使用比率、成形順序を、容器用途に応じて変更できる点に特長がある。これにより容器づくりの選択肢が広がり、安全性・機能性・デザイン性だけでなく、リサイクルPET樹脂の使用を促進し、環境配慮型の容器成形が可能となる(特許出願中)。

同社は二層成形法のため、既存の4ステーション成形機「ASB12N/10型」をベースにした専用機「ASB―12N/DL型」プロトタイプモデル(写真)を開発した。本モデルは、射出型と射出ユニットを追加した5ステーションで構成される。さまざまな樹脂が成形可能な汎用性に優れたASBシリーズのため、内外層に別々の材料を使用することにより、物性強度や外観品質を向上することができる。

用途例としては次のものが挙げられる。
▽環境配慮型容器・リサイクルPET、フレークPETの活用=多くの国で食品安全規制等によるリサイクルPETの食品用途への利用制限がある中、外層にリサイクルPETを使用し、内容物に接触する内層にバージンPETを使用することで、安全性を高めることができる。食品容器への転用が広がるとともに、環境にも配慮した容器提案が可能となる
▽エアレスポンプ容器=エアレスポンプ容器では、外層は原形を維持したまま、内容物(醤油など)を消費するごとに内層のみが収縮する。内容物が外部の空気に触れないため、酸化による劣化を防ぎ、開封後の消費期限の延長が可能となる
▽耐水分バリア容器=耐水分バリア容器は、内層または外層にPP樹脂などの水分バリア性の高い材料を使うことで、マスカラ、保湿ローションなど化粧品の揮発を防ぐことが可能
▽ガラスライク厚底容器・細口厚底容器、広口厚底容器=二層化により深みのある発色を引き出し、超肉厚・厚底のガラスライクな高級化粧品容器の成形が可能となる。また、細口・広口などネックサイズを問わず、容器のバリエーションが広がる
▽デザイン性の高い容器・ストライプ柄、内部リブ、グラデーションなど=ストライプや内部リブなど、デザイン性の高い容器成形が可能となる。

同社では市場の要求にこたえ、実用性をさらに高めるため、量産機を含め機械の開発やプロセスの改良を今後も進めていく考え。