日本自動車タイヤ協会
2019年の廃タイヤの発生量、再利用状況
需要減でリサイクル率は低下
日本自動車タイヤ協会(JATMA、清水隆史会長)は、昨年の廃タイヤ(使用済みタイヤ)の発生量、ルート別発生量、リサイクル状況等をまとめた「2019年廃タイヤ(使用済みタイヤ)リサイクル状況」と、「廃タイヤの不法投棄状況」を発表した。
それによると19年(1―12月)の国内における廃タイヤ発生量は「タイヤ取り替え時」「廃車時」を合計すると、本数で9600万本、重量で102万6000㌧となった。前年と比較すると、本数は同数、重量は6000㌧減少した。タイヤ取り替え時の発生量は本数では8100万本、重量で88万4000㌧と前年と比較して本数、重量ともに減少した。これは全体的に市販用タイヤの販売が減少したことが影響していると考えられる。廃車時の発生量は本数では1500万本、重量では14万2000㌧となり、前年と比較して本数、重量ともに微増となった。
タイヤのリサイクル状況については、19年のリサイクル利用量は合計で前年より3万1000㌧減少し、96万6000㌧に減少。リサイクル率は94%と前年より3㌽下降した。特に、製紙工場における使用量が前年と比較して4万4000㌧減少した。これは、ペーパーレス化等の影響による紙生産量の低下が要因であると考えられる。また、国内の熱利用先が廃タイヤの切断品/破砕品を購入する際の価格は、他の廃棄物由来燃料との競合によって、ここ数年下落傾向が顕著となっている。
JATMAが公表を行っているリサイクル状況は、日本国内で発生した廃タイヤ(使用済みタイヤ)の処理状況を把握するためのものであるため、ここには集計されていないが、近年、国内の熱利用先が海外から廃タイヤの切断品/破砕品を有価購入する状況が続いており、19年の年間輸入量はおよそ9万6000㌧と、前年より約6000㌧増加した。
今年2月時点の廃タイヤの不法投棄状況は合計数量は70件、2万6991㌧で、昨年2月調査時と比べると、5件減少、重量では686㌧の減少となった。