2020年6月25日

ダウ
循環型経済に向けた目標を発表

温室効果ガス削減、プラごみ根絶

ダウ(ジム・フィッタリング会長兼CEO)は6月17日、気候変動とプラスチックごみの問題に対処するための新たな目標を発表した。また、17年連続となる2019年度のサステナビリティリポートを発行し、25年サステナビリティゴールに向けた進ちょく状況および結果も報告した。

同社のフィッタリング会長兼CEOは「本日の発表は、30年以上前から始まったダウの持続可能性に関する道のりにおいて次なるステップとなる。気候変動とプラスチックごみは世界がこれまでに直面した最大の技術的、社会的、経済的な課題であり、当社の製品と技術は、この両方の課題に対処するために不可欠。私たちはこれらの課題に真正面から立ち向かい、自らに説明責任を課し、気候変動とプラスチックごみの問題に直接取り組むための科学技術に基づく新たなソリューションの実現に向けて、協力し続ける必要がある」とコメントしている。

同社は25年サステナビリティゴールに基づく新たな持続可能性目標として気候の保護、廃棄物の根絶、循環経済を設定。気候の保護では、30年までに年間炭素排出量を正味500万㌧、20年と比較し15%削減する。また、パリ協定に沿って50年までにカーボンニュートラルを達成することを目指しており、より少ない資源で製品を製造するための技術の導入と発展に取り組むことで顧客による二酸化炭素排出量の削減に寄与する。

廃棄物の根絶においては30年までに、直接の行動またはパートナーシップを通して100万㌧のプラスチックの回収、再使用、リサイクルを実現することで廃棄物の根絶に貢献する。

循環経済については、35年までに包装用途における全製品を再利用可能またはリサイクル可能にすることで、循環経済に貢献する。同社では現在、再利用またはリサイクル可能な包装用ソリューションの再設計と提供に取り組んでおり、軟質および硬質プラスチック包装用途のメカニカルリサイクル(物理的再生)プラスチック樹脂の新製品を上市した。この製品は、二酸化炭素排出量およびエネルギー使用量を最大20~30%削減できる可能性を有している。

また同社は、持続可能性目標を達成するために既に世界中で実行してきた数々の行動に加え、アルゼンチン、ブラジル、米・テキサス州およびケンタッキー州における製造施設で、338メガ㍗以上の電力を再生可能資源から調達する、新たな再生可能電力に関する契約を締結した。これにより、22万5000㌧以上に相当する二酸化炭素の削減が期待される。

このほど発行した19年度のサステナビリティリポートには▽温室効果ガスの排出を15%削減▽カーボンプライシング(炭素価格付け)を事業計画に組み込む▽再生可能電力への投資―ダウは、クリーンエネルギーの使用において化学業界でトップ企業であり、再生可能エネルギーの使用においては世界トップ25にランクインしていることなどが記載されており、25年のサステナビリティゴールに向けて大きく前進していることを立証している。