2020年10月25日

デンカ
「デンカ球状マグネシア」市場投入

最先端機能性セラミックス
5G・xEV向けに

デンカ(山本学社長)は、第5世代移動通信システムである5GおよびⅹEV(電気自動車=BEV、ハイブリッド電気自動車=HEV、プラグイン・ハイブリッド自動車=PHEV/PEV、水素燃料電池自動車=FCEV/FCVの総称)に、新たなサーマルソリューションを提供する最先端機能性セラミックス「デンカ球状マグネシア」の市場投入を10月から本格的に行っている。今回の市場投入を通じて環境・エネルギー分野の強化を一層進め、SDGsに掲げるクリーンで安全な未来社会の実現に貢献していく。

5Gはスマートフォンのみならず、医療・防災等の他産業にも活用される次世代情報通信インフラで、温室効果ガスの削減に貢献するⅹEVとともに持続可能な社会の実現において重要な役割を担う分野。こうした次世代情報通信インフラやⅹEVの開発と普及が進むにつれ、通信量の増加や高速化、車載部品の高性能化によって放熱材料に対する高熱伝導性や高信頼性の要求が飛躍的に高まっている。

今回市場投入された球状マグネシアは球状アルミナの約1・5倍の高熱伝導を示し、5G・ⅹEVで求められる要求特性にこたえる素材。同社は1915年の創業以来培ってきた無機材料の高温焼成・窒化反応・粒径制御等の基盤技術を元に、球状溶融シリカ、窒化ケイ素、窒化ホウ素(BN)、球状アルミナ、蛍光体などのさまざまな機能性セラミックスを製造しており、これら製品は半導体・電子機器、風力発電、通信基地局、自動車等に幅広く使用されている。

同社は経営計画「Denka Value―Up」における成長戦略「事業ポートフォリオの変革/スペシャリティー事業の成長加速化」の一環として環境・エネルギー分野に注力しており、球状マグネシアに加え、低誘電正接シリカや高誘電率フィラーなどの新規セラミックスや、5Gにおいて伝送損失を低減することに有効な低誘電絶縁材料(LDM)やLCPフィルム等の開発も進めている。さらに、今後需要の増加が見込まれるリチウムイオンバッテリー向け超高純度アセチレンブラックの安定供給に努め、クリーンで安全な未来社会の実現に貢献していく。