カワタ
2021年2月期第2四半期決算
日本の物流関連等は堅調
すべての地域で不振
カワタ(白石亙社長)は11月26日、ウェブ配信によって決算説明会を開催した。白石社長自らが業績概要について説明。それによると当期の売上高は前年同期比23・2%減の86億9500万円、営業利益は同67・9%減の2億9900万円、経常利益は同69・2%減の2億8100万円、四半期純利益は同77・6%減の1億3100万円となった。
受注高は同30・7%減の74億8800万円、受注残高は同23・0%減の49億2500万円。
市場環境については国内では、緊急事態宣言の解除後、経済活動再開の動きはあるものの回復に向けた動きは鈍く、設備投資は先行き不透明な状況が続いた。製造業の機械受注統計も減少傾向をたどっている。海外では米中貿易摩擦の長期化や新NAFTAの発効遅れなどに加え、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、経済は急激に悪化。一部の先進諸国においては段階的な経済活動再開に向けた動きはみられるものの、設備投資の回復には至らなかった。そうした経済情勢にあって、国内の売上高は、日用雑貨や容器・物流関連分野は比較的堅調であったものの、自動車関連分野は引き続き低調に推移。海外案件も前年同期に比べて減少。中国においては、新型コロナウイルス感染拡大が収束し、経済活動は再開されたものの、民間設備投資回復の足取りは鈍く、タイやインドネシアにおいては、設備投資意欲の減退、新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の制限が継続している。
損益面では、材料費を中心とした原価低減策や諸経費の削減などに努めたものの、売上高の減少に伴う売上総利益が前年同期の29・0%から26・3%に減少、特別損益として、投資有価証券評価損200万円を特別損失に計上、加えて法人税、住民税および事業税1億7300万円、法人税等調整額のマイナス分1900万円を計上したことなどにより、利益も伸び悩んだ。
地域セグメント別での日本の売上高は前年同期比19・1%減の60億6500万円、営業利益は同32・7%減の5億6700万円、セグメント利益(経常利益)は同33・1%減の5億8000万円。営業利益における増減要因としては売上利益率上昇で23億円、販管費の削減による82億円の増益要因があったものの、売り上げ減によって3億8100万円の利益を落としたことで減益となった。緊急事態宣言の解除後も感染再拡大のリスクが残っていることから、経済活動の再開は急速には進まず、日用雑貨や容器・物流関連は比較的堅調に推移したものの、自動車関連については引き続き低調な状態が続いた。
東アジアの売上高は同20・2%減の24億4600万円、営業利益は1億7900万円の損失(前年同期は2200万円の損失)、セグメント利益は1億9600万円の損失(同5500万円の損失)。営業利益における増減要因としては、販管費の削減による251億円の増益要因があったものの、売り上げ減による影響で168億円、売上利益率低下(27・3%から17・5%)による239億円のマイナス分が大きく響いた。米中貿易摩擦の長期化に加え、新型コロナウイルス感染拡大の収束に伴い中国国内では経済活動が再開されたものの、民間設備投資が回復するまでには至らなかった。
東南アジアの売上高は同45・8%減の7億1800万円、営業利益が6800万円の損失(前年同期は1億3200万円の利益、セグメント利益が6200万円の損失(同1億3700万円の利益)。営業利益における増減要因については、販管費削減による37億円の増益要因があったものの、売上利益率低下(33・1%から27・9%)で37億円、売り上げ減によって2億100万円の利益を落とした。前年度後半から続くタイ、インドネシアの自動車関連を中心とした設備投資意欲の減退に加え、新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の制限などにより伸び悩んだ。
北中米の売上高は同73・4%減の3800万円、営業利益は4300万円の損失(前年同期は2600万円の損失)、セグメント損失は6000万円(同2500万円の損失)。営業利益の増減要因については、販管費削減による8億円の増益要因があったものの、売上高の減少で2600万円の利益を落とした。
同社グループでは、年度後半には新型コロナウイルスの感染収束に向けた兆しが見え、設備投資意欲の改善、経済活動の回復を予想していたが、期初に想定していた以上に新型コロナウイルスの収束には時間を要すると判断。設備投資の回復スピードが当初予想より緩やかになっていることから通期の業績予想を修正した。売上高は予想値に対して45億円減の155億円、営業利益は同13億4000万円減の1億4000万円の損失、経常利益を同12億9000万円減の1億4000万円の損失、当期純利益を10億9000万円減の3億4000万円の損失と現時点では見ている。
配当については、前回予想通り中間配当1株当たり15円、期末配当同15円を実施する。
「当社グループでは引き続き新型コロナウイルス感染防止策を徹底しながら、二次電池関連業界向けの販売拡大、IoT、5G、AI、バイオプラスチックなどへの対応による新規市場・成長分野における事業展開の強化、既存市場、既存分野での販売拡大と収益力向上、経営基盤の強化とESG経営の推進によって、強じんな企業体質の構築に取り組む」(白石社長)。