国内タイヤメーカー 19年12月期決算出そろう
住友ゴム
国内外で新車用増加
スポーツ事業は0・3%増
住友ゴム工業(山本悟社長)は13日、東京都千代田区の大手町サンケイプラザにおいて決算発表会を開催した。当期の売上収益は前期比0・1%減の8933億1000万円、事業利益は同11・2%減の538億7800万円、営業利益は同42・1%減の330億6500万円、当期利益は同66・7%減の120億7200万円となった。タイヤ事業における北米、南アフリカ工場、産業品などの事業におけるスイス工場においては、それぞれの事業計画を見直した結果、のれん・固定資産の減損損失を計上したことで収益が圧縮された。事業利益の増減要因については、原材料61億円(天然ゴム10億円増、石油系54億円増、他3億円減)、価格15億円、数量・構成他1億円、直接原価で10億円のプラス要因があったものの、固定費増で36億円、為替差損67億円、経費増で33億円、スポーツ事業の減益で12億円、産業品事業ほかの減益による6億円のマイナス要因があった。
セグメント別では、主力のタイヤ事業の売上収益は前期比0・1%減の7675億5100万円、事業利益は同9・8%減の461億8300万円。国内新車用タイヤは、納入車種拡大によるシェアアップや、低燃費タイヤを中心とする高付加価値商品の拡販により販売数量、売上収益ともに増加した。国内市販用タイヤは、ダンロップブランドの低燃費タイヤを中心とした高付加価値商品の拡販に加え、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要を取り込めたものの、暖冬の影響により冬タイヤ販売が前期を下回ったことから、売上収益は伸び悩んだ。海外新車用タイヤは、欧州、北米のほか、新興国での納入拡大などによって、売上収益は前期と比べて増加。海外市販用タイヤは、アジア・大洋州地域では中国の景気減速の影響を受けたものの、欧州・アフリカ地域は欧州を中心に、ファルケンブランドの販売が順調に伸びた。米州地域では、北米で4WD・SUV用タイヤ「ワイルドピーク」が好調に推移するなどファルケンブランドの販売が好調に推移し、売上収益は前期を上回った。
スポーツ事業の売上収益は同0・3%増の847億500万円、事業利益は同22・0%減の42億8200万円。国内ゴルフ用品では、ゼクシオのリブランディングを実施し、新製品の「ゼクシオイレブン」「同エックス」も好調な滑り出しを見せたことで、売上収益は前期を上回った。海外では、北米での販売が好調に推移したが、アジア第2の市場である韓国において高付加価値品の販売が減速、売上収益は前期を下回った。テニス用品では、特に国内市況が低迷し、売上収益は伸び悩んだ。ウェルネス事業は、前年に引き続き会員数が堅調に推移、コンパクトジム「ジムスタイル」の新規出店もあり、売上収益は前期を上回った。
産業品他事業の売上収益は同1・7%減の410億5400万円、事業利益は同15・4%減の33億9700万円。医療用精密ゴム部品や制振事業が堅調に推移したものの、OA機器用精密ゴム部品は主要OA機器メーカーのプリンター、コピー機の生産減少の影響、インフラ系商材における体育施設の受注減もあって、減収となった。
通期については、売上収益を前期比1・9%増の9100億円、事業利益は同2・1%増の550億円、営業利益は同63・3%増の540億円、当期利益として同194・1%増の355億円を見込んでいる。