2021年1月30日

日本シューズ産業協同組合
組合員の熱意も漂う

一人でも多くに見てほしい

日本シューズ産業協同組合(中村𠮷則理事長)は1月20、21の両日、「第116回日本シューズ産業見本市」を神戸市中央区の神戸国際展示場3号館で開催した。コロナ禍に苦しめられているファッション産業は、新作アイテムの発表の場も失われており、ファッションにかかわらず、あらゆる分野が展示会をリアルからバーチャル開催に移行。しかしながらシューズは、何よりも見た目の印象が占める魅力の割合が強いこともあり、組合員からは「コロナの影響によって確かに来場者は減るかもしれないが、一人でも多くのお客様に実際に展示品を見てもらいたい」との熱意をくんで、新型コロナウイルス感染予防の対策を万全に整えた上で、リアル開催を実施することに決めた。消毒や検温、換気も万全であり、同組合でも感染予防を施して実施した前回のノウハウを発揮しながら「頑張ってやっていこう」という心意気で開催に臨んだ。

見本市に来場するバイヤーの事業を取り巻く環境も厳しく、期間中に各地から訪れた来場者の展示品に向けられた視線は熱い。出展内容としては、いつもよりはスタンダード寄りにデザインへと先進性を抑え込み、定番アイテムの色替えや素材違いによってテーストの際立ち過ぎを控えていたほか、ブラッシュアップによって特徴を際立たせることによって新たな感性を引き出していた。

スニーカー類の人気が相変わらず根強く、海外ブランドのアイテムとは違った方向性でスポーティーな存在感を強調。カジュアルな感性が一段と引き立つカラーリングや切り替えなどによってファンキーさやビビット感を残しながら、カジュアルシューズとのフュージョンに積極的に挑戦、品格を落とすことなく、独自のファッションとして成立させていた。

同組合では、新しい企画として、今回の見本市の様子を動画の形で組合のホームページに掲載。入口から入場し、展示会の各ブースの商談風景などを記録として残し、バーチャルの形で会場を見て回ることで、来場がかなわなかった希望者に対しても開催風景のムードに浸れるよう工夫する。日本シューズ産業協同組合のホームページから組合員のホームページへとリンクされており、同組合のホームページから組合員の出展ムード、商談風景を目にすることができる。

次回の日本シューズ産業協同組合の見本市開催は5月26、27の両日だが、今回の企画をきっかけに実際の来場につなげるきっかけになる期待感と同時に、出展希望者へのアピールにもつなげる。

中村理事長は「新型コロナウイルスの収束時期に見通しが立っていない今、組合員や来場者にとって役立つ企画として、どういった試みができるだろうかという話し合いから今回の企画案が浮上した。理事会でも評判は良く、一刻も早く実現させる。ホームページを持っていない組合員には、組合が協力して体制を整え、ユーチューブでも閲覧できるような見せ方をすることで、シューズのファッションの世界をオープンに盛り上がらせる」と期待に胸を膨らませていた。