【ホース・チューブ・継手特集】ニッタ
HPの製品情報ページ刷新
製品開発一段と拍車
ニッタが手掛けるホース・チューブ事業の2021年3月期の第3四半期累計(4―12月)については、前年同期比16・6%のダウンとなった。昨年においては、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大局面にあって厳しい需要環境に置かれたが、2020年8月に底を打った感があり、現在は回復傾向をたどっている。
需要業界を見渡すと、工作機械など一部に回復度合いに鈍さがある業種はあるものの、おおむね回復基調にある。建設機械市場向けは下期から回復を遂げており、特にミニショベルの立ち直りが早い。フォークリフト、ウィングルーフトラックなどといった産業車両、特装車両市場向けは前年を下回ってはいるが、大きな落ち込みには至っていない。このほか半導体市場向けは、2020年末ごろから需要が高水準を維持。各需要業界ともに、今後も緩やかな回復基調をたどるものと同社では期待している。
新型コロナウイルス感染症拡大による影響もピークを脱し、市況が回復する兆しを見通せる状況になったものの今後も継続して顧客との対面営業は制限を強いられるものと予測。こうした課題に対して同社では、新製品開発や情報発信力を高める取り組みによって新規開拓を目指す。情報発信力を高める施策としては、2021年4月にホームページのホース・チューブ製品、メカトロ製品の製品情報ページをリニューアルする。各種データや動画などといったコンテンツの充実を図りながら、顧客との接点を拡大していく。
2020年8月より市場投入を開始した自動工具交換装置「NITTAOMEGA type XM」については、従来機種に対して薄型化、軽量化といったアップグレードを図ったこともあって、引き合いが徐々に増大。同社としては、typeシリーズのラインアップをさらに拡大する展開も検討している。
ホース製品では、超柔軟樹脂ホース「ラインメイトLB70シリーズ」のカラーシリーズを今月上市した。「油圧ホースといえば黒というのが一般的なイメージだが灰、青、赤の3色をカラーバリエーションに追加した(赤のみ受注生産品)。LB70シリーズの主要ターゲットである工作機械のみならず冷却配管、各種製造装置などにおいて、流体による識別や誤配管防止などといったメリットを提案していきたい」(同社ニッタ・ムアー事業部)。
ラインメイトLB70シリーズ、柔軟難燃チューブ「FUKチューブ」の採用は確実に拡大。工作機械や自動車業界の回復はいまだ道半ばながら、今後の売り上げ増加に期待を寄せている。半導体市場向けについては、将来的な需要の見通しでもますます大きくなる可能性を内包している。同社としては、顧客ニーズをくみ上げながら製品開発に一段と拍車を掛ける。展開としては油空圧に限定することなく、冷却配管、飲料配管、医療・バイオ配管など新しいアプリケーションを開拓することで、事業としての成長につなげる。
今後もわれわれを取り巻く環境においては、顧客への営業活動も対面とウェブがミックスしたスタイルが続くと予想。そうした状況においても、顧客のニーズに合わせた情報発信、打ち合せができるような仕組みを構築することで課題を乗り切る。第4四半期に入ってからは、売り上げはほぼ予算通りに推移。通期については、「前半の落ち込みが響いているが、ぜひとも巻き返しを図っていきたい」(同社ニッタ・ムアー事業部)。