2021年4月15日

ムーンスター
「シナリ」発売

製靴技術にフォーカスした 新ライン

ムーンスター(井田祥一社長)は、同社の佐賀工場で古くから続く製靴技術にフォーカスした新ライン「SHINARI(シナリ)」を発売している。長年追求してきたコンフォートなシューズを新たなスタイルで表現したムーンスターの新ラインのシナリは〝何かを付け足すのではなく、素材の特性と設計で良さを求める〟のコンセプトの下、開発された。製品名は〝しならせることでクッション性を生む〟独自のソール設計から名付けられた。

同社の佐賀工場で続くダイレクト・ウレタン・ソーリング(DUS)式製法は、ソールを「縫う」「接着する」ことが多い製靴技術の中、「直接」ソールをつける特殊な製法。足型にすき間なく密着した液状のソール素材が化学反応を起こし、「成型」「接着」を同時に行うことにより、靴と足との一体感を生み出すことができている。その快適さからコンフォートシューズの製造に多く用いられている。
 今回発売のシナリは「素材」と「製法」の特長をそのまま生かすという価値観の下、〝アウトソールをしならせることでクッション性を生む〟独自のソール形状とムーンスターのアーカイブ、特に革靴からデザイン要素を取り入れた「新しいレザースニーカー」として提案を行っていく。

2021年春夏の商品ラインアップは①シンプルなダービープレーンの「SUMEN(スメン・素面)」=特長的な羽根のステッチングやパターンの重なりは、ムーンスターの革靴アーカイブ・VPシューズから要素を取り入れた②装飾的なフルブローグの「KESAU(ケソウ・化粧)」=特長的な羽根の重なりやラインは、同社の革靴アーカイブ「iⅴanシューズ」より要素を取り入れた③ラバーバンドスリップオンの「OB(オビ・帯)」=4本の甲ゴムを平行に配した個性的なデザイン④モンクストラップの「ASHIGANE(アシガネ・足金)」=フリップトップ式の特長的なバックルを持つデザインは、同社の革靴アーカイブ・VPシューズから要素を取り入れた⑤シンプルなオックスフォードスニーカーの「ORIKATA(オリカタ・折形)」=履き口のカットや飾りの直線的なラインは、同社の革靴アーカイブ・iⅴanシューズから要素を取り入れた⑥内側と外側で表情の異なるスリップオンの「SAUNASHI(ソウナシ・左右無し)」・左右非対称な先飾りのパターンは、同社のアーカイブである「足袋」をイメージソースとした6タイプ。いずれもカラーはブラックのみで、サイズは25・0~27・0㌢、28・0㌢、価格は2万2000円。

4月下旬にはシナリのブランドサイト(https://www.moonstar.co.jp/shinari)が公開予定となっている。

佐賀工場は1956年の設立以来、コンフォート・ウオーキングシューズ、官公需向けの革靴づくりを得意としている。DUS製法をメーンに、セメント、マッケイ、ステッチダウン、プラットなどといった多様な製靴技術を武器にするとともに、ここ数年若い従業員にスキルを伝授させることに注力し、新しい商品を生み出し市場へ提案を行っている。