2021年5月10日

ブリヂストングループ
特別仕様タイヤ開発

太陽光発電型EV向けに

ブリヂストングループは、オランダ・ライトイヤー社の太陽光発電型電気自動車「Lightyear One(ライトイヤーワン)」向けに、環境性能と運動性能を両立する革新的なタイヤ技術「ENLITEN(エンライトン)」を搭載した特別仕様タイヤ「TURANZA ECO(トランザ・エコ)」を開発した。トランザ・エコはライトイヤーワンの航続距離の最大化に貢献するため、エンライトンを搭載し、ブリヂストンの欧州子会社、ブリヂストンヨーロッパにより開発された。タイヤサイズは175/60R19で、装着されるEVの要求性能を満たすことを示すブリヂストングループ独自の「EVマーク」が刻印されている。また、エンライトンに狭幅・大径形状と高内圧仕様が特長の低燃費タイヤ技術「ologic(オロジック)」を組み合わせることによって、さらなる転がり抵抗低減を実現した。

エンライトンはブリヂストングループの中期事業計画の中核として、バリューチェーンすべてで資源循環やカーボンニュートラル化などへの取り組みと、ビジネスモデルを連動させる「サステナビリティビジネス構想」の実現へ向けた断トツ商品戦略強化の中核を担う技術としてタイヤの大幅な軽量化、転がり抵抗低減を可能にするブリヂストングループの次世代環境対応商品としての独自技術で、電気自動車(EV)のバッテリー寿命の維持、航続距離の最大化および環境負荷低減や省資源化に貢献するとともに、従来はトレードオフの関係にある運動性能やタイヤライフとの両立を可能とする。

ライトイヤーワンは、車体上部の太陽光パネルで走行中にも充電することで、725㌔㍍の航続距離を実現したEV。太陽光発電機能を備えた長距離走行可能なEVとして、年内に世界初の商業化を目指して開発が進められている。ブリヂストングループが行った調査では、欧州のドライバーの50%がEVの購入を検討しているが、37%はエネルギー効率と航続距離に不安を抱いていることが分かっており、ライトイヤーワンとトランザ・エコはこのような課題へのソリューションの一つとなることが期待される。

トランザ・エコは、ブリヂストングループの同サイズのタイヤと比べて4本(車1台当たり)で約3・6㌔㌘の軽量化を実現し、ブリヂストングループ独自のタイヤ開発シミュレーション技術を用いて試作タイヤの本数および開発期間も削減するなど、モノづくり領域でも技術イノベーションを通じてCO2削減、資源生産性の向上に大きく貢献している。

ライトイヤー社は、ブリヂストンがタイトルスポンサーを務める世界最高峰のソーラーカーレース「ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ」のクルーザークラスを4連覇しているオランダ・アイントホーフェン工科大学のソーラーチームEindhoⅴen出身のエンジニアが中心となり2016年に設立された企業。ライトイヤー社およびソーラーチームEindhoⅴenとブリヂストンはモビリティの進化、サステナビリティの課題にこたえていこうとする点で共感しており、ソーラーカーの開発など8年以上にわたって共創を続けている。

今回のライトイヤー社とブリヂストングループの共同開発は、両社の持続可能な社会の実現に向けた取り組みへの共感と、同レースを通じたこれまでの共創から生まれた。