2021年5月30日

【ゴム・樹脂コンベヤベルト特集】ニッタ
問い合わせ方法変化

ウェブ通じたサービス強化

ニッタの2021年3月期の搬送用ベルトの業績は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け需要が落ち込んだ結果、前期比1ケタの減収となった。その中で物流は引き続き好調を維持、食品分野も堅調な情勢を保っている。さらに自動車関連産業の復調も見られ、工作機などが以前の状態に戻りつつあるなど景況感は好転している。

「Eコマースの拡大は、物流各機能の自動化に直結しているので、ベルトやカーブコンベヤの需要も高水準で推移。引き続き、ご評価頂いている品質や納期対応などの信頼性を高める取り組みに注力している」(同社工業資材事業部ベルト事業グループ)。

コロナ禍での業務体制は、リモートワークに必要な機器などは既に整備しており、柔軟な対応で会社と在宅の切り替えが可能。また取引先との対面での営業活動が制限されている状況下で、メールやウェブなどを活用した対応能力も上がってきている。さらに「お客様からの問い合わせ方法にも変化が見られ、『電話よりもホームページに書き込んだ方が確実に回答が返ってくるし、複数のベルトメーカーに同じ内容の質問をしている』という声も聞いた。問い合わせフォームからコンタクトされるお客様へのサービス強化も図りたい」(同)。

最近では、世の中がウイルスや細菌に対して、かつてないほど神経質に反応。ベルトはユーザーの衛生管理の対象になる部品であり、ベルト洗浄の頻度は増している。同社では食品製造工程での洗浄剤として使用頻度の高い、次亜塩素酸ナトリウム水溶液に耐性の高い製品をこれまで上市してきた。今後このバリエーションの拡大を検討していく計画であり、合わせてベルト端面からの耳ほつれを防止する「プロテクトシール」のさらなる浸透も図っていく。

「FOOMA JAPAN2021」が愛知県常滑市の愛知スカイエキスポにおいて、6月1~4日にかけて開催される。同社も出展するが「同様の展示会として、名古屋開催の中部パックも集客力を発揮して盛大であったことから、全国規模の展示会であるFOOMAでの盛り上がりにもかなり期待している」(同)。

FOOMA JAPANのテーマは〝発想力が食の未来を変えてゆく〟毎回FOOMAのテーマの下で、ブースを構えており、今回出展する製品に関しても、展示会などでこの2年間に紹介する機会がなかったものになる。食品搬送用ベルトは品種も多く、ユーザーから求められるベルトの選定にあたっては、どの条件を最も重視するかがポイントであり、相手方のニーズに沿いながら、より納得感を高めることができるかが重要。発想力=提案力ということで臨みたい。

最後に、搬送用ベルトの今後については、コロナ禍のマイナス材料は消えてはいないが、ベルト需要は昨年度と比較して増加すると見込んでいる。機能部品としてのベルトの需要は業界ごとにまだらでつかみにくいが、物流・食品など注力する業界を見定めて活動していく。