2021年7月5日

信越化学工業
温室効果ガス排出量削減へ

総額200億円投資

信越化学工業(斉藤恭彦社長)は、カーボンニュートラルに貢献する取り組みを強化する目的から、同社のシリコーン事業が温室効果ガス排出量の削減に資する総額200億円の投資を実施することを発表した。

同社ではまず自社の製造工程での温室効果ガス排出量の削減への投資として、シリコーン事業の主力工場である群馬事業所において、自社での電力自給率をさらに高め、現状と比較して温室効果ガスの排出量を14%削減することとし、100億円を投じて実施する。

また、顧客の製造工程での温室効果ガス排出量の削減や環境対応型製品に使用する製品の供給能力増強の設備投資については、変性シリコーンオイルや成形用シリコーンゴム、放熱シリコーン材料などの環境に貢献する製品の供給能力の増強を行う。投資額は合計100億円で群馬事業所において実施される。

同社はカーボンニュートラルを経営の重要課題として取り組んでおり、シリコーン事業では、加工工程で二次加硫(加熱)を必要としないミラブル型シリコーンゴムを開発し、上市。同製品を使用することによって、加工時間を従来品より約9割も削減することが可能となり、顧客での省エネルギーと生産性の向上を可能とする(2㍉厚のシートを作成した場合の比較データ)。

ゴム成形品の軽量化を実現する低密度タイプのシリコーンゴムの用途は、自動車、航空機などの輸送機やウェアラブル端末など多方面にわたり、軽量化によって省エネルギーに貢献する。これら2つの製品のほかにも、温室効果ガス排出量の削減への貢献等、地球環境に貢献するシリコーン製品を数多く開発し、供給を行っている。

同社では日本をはじめ、主要国が目指すカーボンニュートラルの実現に向けて、自社での温室効果ガス排出量の削減とともに、顧客をはじめ社会全体の排出量の削減に資する製品の強化をより一層注力していく。