2021年8月5日

横浜ゴム
TB用スタッドレスを拡充

総合性能の重視型

横浜ゴム(山石昌孝社長)は、トラック・バス用スタッドレスタイヤ「904W」を9月より全国のヨコハマタイヤ販売会社を通じて販売する。発売サイズは295/80R22・5~215/70R17・5の14サイズで、価格はオープン価格。

904Wは従来品の「SY397」の優れた氷上性能と雪上性能をさらに高めながら、特に非降雪地域で求められる耐摩耗性能(ロングライフ性)と耐偏摩耗性能(省メンテナンス性)を向上。総合性能重視型スタッドレスタイヤとして、ふさわしい優れた安全性と経済性をバランスよく両立させた。

トレッドパターンには氷雪上性能と耐摩耗性能を両立させた〝ワイドトレッドデザイン〟を採用。溝容積および接地面積アップにより、氷雪上性能と耐摩耗性能を高めた。加えて〝ワイドセンターブロック〟がエッジの配置を最適化することにより、氷雪上路面とウエット路面でのトラクション性能を向上、〝高密度サイプレイアウト〟がサイプのエッジ量を同社従来品比で50%増加させることでエッジ効果を高め、氷上性能を向上。同社のトラック・バス用タイヤで初採用となる〝5段ピラミッドサイプ〟の3Dサイプがブロックの倒れ込みを抑制し、接地面積を確保することで氷雪上性能を高め、ブロックの剛性の低下を抑制しH&T摩耗を抑制する。石噛みによる損傷を防ぐ〝新ストーンイジェクトグルーブ〟により噛んだ石の排出が促され、石が深く食い込むことによる損傷を抑制、リトレッド用台タイヤとしてリサイクル率も高まり、タイヤを最後まで使い切ることができる。〝千鳥ブロックレイアウト〟による互い違いのブロック配置がH&T摩耗などの偏摩耗を抑制し、ロングライフ性に貢献する。新技術の採用により、従来品に比べ氷上制動性能を4%、雪上制動性能を2%高めながら耐摩耗性能を10%以上向上させた。

904Wでは年間を通じた使用を考慮、SY397で好評を得られた摩耗率により、トレッドパターンが変化する特長を継承した。新品時の冬はスタッドレスタイヤとしての氷雪上性能を発揮し、春~夏前の状態に多い50%摩耗時にはオールシーズンパターンに変わり梅雨のウエット路面に対応。夏~秋ごろに見られる90%摩耗時にはリブパターンとなり、優れた静粛性を発揮する。これにより、季節によって変化する輸送事業者のさまざまな要求にこたえることが可能となった。