2021年8月5日

三菱ケミカル
高い成形加工性有するCMC材料開発

優れた特長有しながら低コスト

【物性比較】

【物性比較】

三菱ケミカル(和賀昌之社長)は、軽量性や剛性と成形加工性を兼ね備えたセラミックマトリックスコンポジット(CMC)材料を開発した。

環境負荷低減に向けて軽量化が求められるモビリティ用途や軽量化に加えて工程効率化への対応が要求されている産業機械用途などにおいては、軽さと強度を兼ね備えた炭素繊維関連部材の採用が拡大。耐熱性が必要となる部材においては、加工性やコスト面での課題から十分に普及しているとは言えない状況で、主に比較的高価なセラミック材が使用されている。

炭素繊維と金属材料を組み合わせた同社のCMC材料は高剛性、高耐熱性、高熱伝導性、軽量性、耐摩耗性、低発じん性といった特長を備え、モビリティのブレーキ材料や産業機械部品としての使用が拡大。今回の開発品は、これらCMC材料の特長を持ったまま高い成形加工性と、それに伴う低コスト化を実現した。既に複数の顧客へのサンプルワークが進められており、今後は従来品に加え、産業機械等のブレーキ材料、耐熱部材などといった新たな用途での開拓を目指す。

同社では、多様化・高度化する顧客の要望にこたえる複数の炭素繊維関連の新製品開発を進めており、今後も引き続き、最適なソリューションをタイムリーに提供することによって、事業の展開を積極的に進めていく。