2021年10月5日

西部ゴム商組
第57回商品説明会&工場見学会

オンラインで素材加工メーカーへ

西部工業用ゴム製品卸商業組合(岡浩史理事長)は9月28日、「第57回商品説明会&工場見学会」をオンライン形式で開催した。今回は、今年3月の開催以来、2回目となり、リアルでの開催が難しいコロナ禍における情報収集の絶好の機会とあって、100人以上の参加者が視聴した。今回はスポンジ、ゴム、プラスチック加工メーカーである大番(大嵜常行社長)に協力を依頼。大阪府吹田市において操業している同社の江坂工場と参加者をオンラインでつなぎ、同社工場で行われている製造工程の説明や、オリジナル商品の紹介などを同社の大嵜社長が中心となって紹介した。

大番はスポンジ加工、パッカー材加工、バックアップ材加工、すき間埋め材加工などを手掛けている1957年の創業から半世紀以上の歴史を重ねたベテラン企業。同社に勤務する従業員も各担当部門の技術に長けたプロによって構成されており「どのような難しい形状でも、高い寸法精度で正確につくり上げていく。最近では、試作品などの製作に3Dプリンターが持てはやされているが、経験と技術の伝承によって培われた人間の手による3次元加工の出来栄えはしのげない」(同)。

工場見学では、実際の制作工程を巡り、手順や機械の動きを見ながら回覧。ガイドする社長が解説を加え、作業中のスタッフの妙技や手際の良さ、製造物の細部の出来栄えなどを説明。ガラスの緩衝材から建設機械の断熱スポンジまで、さまざまな部位の製品を手掛けているが、それぞれが独自性を持った高付加価値品であり、外観からはうかがえないベネフィットが備わっている。最近では、新型コロナウイルスのワクチンを運ぶパッケージの受注が激増。発注元は地方自治体で、30倍の発泡ポリエチレンにウレタンを挟み込んでケースに最適な緩衝性を持たせた。ガラス製品の緩衝材もシビアなつくりになっており、形状的にも独自の工夫を凝らしている。「ガラスは傷が付くと商品価値が失われることからリスクも高く、大型の受注品ほど難易度を伴う作業になってくるが、加工業者のだいご味と思って取り組んでいる」という。

さまざまなカテゴリーにチャレンジしており、収納物によっては、複雑な形状が要求されるペリカンケースなどのほか、ゴルフ場の傾斜地形をスポンジで再現した、傾斜ショット練習用の「折り畳み傾斜マット」も独自に開発、新型コロナ感染防止用パーテーションなどといった自社製品も販売を手掛けており「今後は自社開発製品についても積極的にチャレンジしていく」としている。