2021年11月15日

2022年3月期第2四半期決算
ニッタ

経常、純利益も最高
配当予想修正、過去最高配

ニッタ(石切山靖順社長)は11月5日、大阪市浪速区の同大阪本社において、2022年3月期第2四半期における決算説明会を行った。それによると「自動車分野の伸びは半導体不足によって減速した状況もあったが、物流や半導体、成形機や工作機械も回復基調に入っており、増収増益を達成した。収益面も営業利益以外は過去最高値を記録した」(石切山社長)。

当期の売上高は、413億2000万円(前年同期は371億3800万円)、営業利益は前年同期比160・4%増の31億200万円、経常利益は同264・3%増の74億4500万円、四半期純利益は同283・1%増の61億1000万円となった。経常利益は、持分法適用会社の主要需要業界である自動車業界向けや、半導体業界向けが好調に推移、持分法による投資利益の増加に伴い純利益も大きく伸びた。当期の期首から、収益認識に関する新会計基準等を適用、当期における各数値については、新会計基準等を適用した後の数値となっており、売上高における対前年同期率は公表されていない。営業利益、経常利益および四半期純利益に与える影響は軽微であることから増減率を公表、営業利益は四半期ベースで過去2番目の数値となったが経常利益、純利益は過去最高で、売上高についても会計基準前の数値と照らし合わせると過去最高を達成している。

セグメント別では、ベルト・ゴム製品事業の売上高は127億4500万円(前年同期は130億6100万円)。収益認識会計基準等の適用により、売上高は39億6500万円減少している。セグメント利益は前年同期比84・5%増の18億2900万円となり増益。ベルト製品は、国内においては物流業界向けが好調に推移、工作機械向けも回復傾向となった。海外では、物流業界向けや繊維業界向けなどが伸びを見せた。

ホース・チューブ製品事業の売上高は161億8300万円(前年同期は118億2400万円)。収益認識会計基準等の適用により、売上高は700万円減少している。セグメント利益は9億5900万円となり、前年同期と比べて8億9300万円増加した。ホース・チューブ製品は、国内、海外ともに、半導体製造装置向けや建設機械向けが好調に推移。自動車向けは半導体不足等の影響を受けたが、前年同期比では回復傾向となった。

化工品事業の売上高は58億3200万円(前年同期は59億4200万円)。収益認識会計基準等の適用により、売上高は2700万円減少している。セグメント利益は1億2800万円となり、前年同期と比べて9700万円増加した。化工品事業製品は、国内では鉄道車両向け製品が堅調に推移したが、引布製品や遮水製品が伸び悩んだ。海外では、OA機器部品の需要が回復した。

その他産業用製品事業の売上高は46億6400万円(前年同期は45億3900万円)、セグメント利益は同80・5%増の8500万円。空調製品は、半導体業界向けや測定器が堅調に推移した。

不動産事業の売上高は4億200万円、セグメント利益は同15・5%減の1億5100万円。経営指導事業の売上高は7億6500万円、セグメント利益は同9・5%増の6億7400万円。その他(自動車運転免許教習事業や北海道における山林事業等)の売上高は7億2600万円、セグメント利益は1億2000万円となった。

通期については、今月1日に業績予想を修正。同時に配当予想の修正も行った。業績予想については売上高は計画の範囲内で推移する見込みながら、営業利益については、原材料価格の高騰や物流費上昇による影響が懸念されるものの、第2四半期までの基調が持続すると予測。経常利益および当期純利益については、引き続き持分法適用会社の業績が堅調に推移する見通しであることから利益面のみ上方修正を行った。通期の売上高(新会計基準等を適用した増減比率)は前期比8・9%増の800億円で過去2番目、営業利益は同74・8%増の50億円(修正前は39億円)、経常利益は同103・0%増の120億円(同92億円)で過去最高、当期純利益は同105・3%増の97億円(同75億円)で過去最高を見込んでいる。

配当予想については前期末は前回発表値の35円、期末配当を50円(前回予想値35円)と上方修正し、1株当たりの年間配当値は過去最高の85円を予想している。