2021年11月30日

三井化学
廃プラのケミカルリサイクル技術

マイクロ波で直接原料モノマーに

三井化学(橋本修社長)はマイクロ波化学(本社・大阪府吹田市、吉野巌社長CEO)と、マイクロ波技術を用いてこれまでリサイクルが困難であったポリプロピレンを主成分とする混合プラスチックであるASR(自動車シュレッダーダスト)やバスタブ、自動車部品などに使用されるSMC(熱硬化性シートモールディングコンパウンド)などの廃プラスチックを、直接原料モノマーにケミカルリサイクルする技術の実用化を目指した取り組みを開始した。

三井化学とマイクロ波化学は、2017年に次世代化学プロセス技術の共同開発を推進するため戦略的提携を締結し、一部出資も含めて強固な関係を構築、さまざまな化学プロセスへのマイクロ波技術の活用について検討を進めている。

今回新たに、ASRやSMC製品についてマイクロ波化学が開発を行うマイクロ波プラスチック分解技術「PlaWave」を用いて直接原料モノマーに分解するケミカルリサイクル技術の実用化を目指した取り組みをスタートさせる。同技術で直接原料モノマーに分解することによって、廃棄プラスチックをオイルに戻してからモノマー化する油化手法よりもワンステップ少なく、プラスチックに戻せるため効率的であると同時に、将来的に分解プロセスに使用するエネルギーを再生可能エネルギー由来の電気を使用することによってCO2排出量の削減が可能にもなる。

現在初期検討を終え、良好な結果を得たことから、21年度内にマイクロ波化学のベンチ設備での検証が行われ、今後本格検討が進められ、早期に実証試験を開始する予定となっている。

マイクロ波は、家庭用電子レンジや通信分野において使われてきた電磁波で、物質を直接、選択的に加熱できる特長を有している。マイクロ波は電気から作ることが可能で、再生可能エネルギー活用によるCO2削減にも貢献しうる環境調和型の技術でもある。

同社は気候変動とプラスチック問題を一体の課題としてとらえ、リサイクル技術・システムの開発とバイオマス製品ラインアップの拡充によって循環経済の実現を目指している。リサイクル技術はマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクルの両技術を、今回のように、優位な技術を有する外部との連携も視野に入れ、早期の社会実装を目指す。

マイクロ波化学は、マイクロ波を活用した製品製造プロセスの高度化・合理化や従来技術では製造困難な新素材の開発に取り組む07年創業のスタートアップ企業。医薬、電子材料、食品、燃料など、幅広い分野の製造プロセスへ応用が可能で、国内外のメーカーとの共同開発やプラント立ち上げを進めている。また、マイクロ波の導入によって50年までに実現する産業界のカーボンニュートラルに向けてマイクロ波化学が独自で策定した構想「C NEUTRAL 2050 design」を展開している。