2021年11月30日

【ゴム・樹脂コンベヤベルト特集】
バンドー化学

新製品の開発に意欲
ユーザー評価で次の展開へ

バンドー化学が手掛ける搬送用ベルト事業の現状については、樹脂コンベヤベルトは「サンラインベルト」が食品・食品機械、物流業界が堅調に推移していることなどから前年同期比で売上収益は増加、その他の搬送用ベルトも前年同期に比べて伸びを見せている。コロナ禍によって2020年度は、樹脂コンベヤベルトの交換需要において大きく影響を受け、特に食品業界では、新規・改良開発だけではなく、補修交換に対しても影響が及んだ。21年度は、需要各社によってコロナ対策が講じられてきたこともあって、特に補修交換需要が回復、前年同期の実績を上回る水準で推移している。食品分野においては、巣ごもり需要が拡大したことから、スーパーやドラッグストア関連が伸びを見せているものの、リモートワークの普及等によって、外食業界や都市部の繁華街、オフィス街立地のコンビニ店舗の客数や売り上げが減少しており、需要は伸び悩んだ。その一方で、物流分野においては、コロナ禍によりネット通販、ネットスーパー需要が急激に伸長、各社倉庫・物流拠点の新設・増設が行われたことから需要増となった。しかしながら、物流センターへの立ち入りが制限されたことによる補修交換の需要減もあり、総量としては横ばいとして見ている。空港ターミナルは、特に海外の中でもアジアはコロナ禍の影響が大きく、空港稼働が極端に落ちていることから厳しい情勢に置かれている。

インフラ需要向けに投入している自己消炎性を備えた難燃耐熱コンベヤベルト、バイオマス発電向けコンベヤベルト「バイオFR―BIOS」などの需要動向については、バイオマス発電の新規需要は一段落したものの、更新需要としてFR―BIOS仕様の急傾斜ベルトの販売が伸長。石炭搬送における、落炭対策用として投入した新製品「イージーリリースNeo」を積極的にPRした結果、徐々に販売実績が伸び始めている。

例年開催されている「FOOMA JAPAN」に今年も出展したが、全体の来場者が例年と比べ大きく減少し、同社ブースの来場者数も大きな影響を受けたものの、目的を持って訪れる来場者が多く、建設的な打ち合わせや意見交換を行うとともに「こんな性能のベルトがあれば」「こんな用途に使えれば」などといった意見も多く聞かれ、今後の製品開発につながるヒントも得られた。

展示会に来場できなかった希望者に対しては、7月1日から同社ホームページ内特設サイト「BANDO SHOWROOM for FOOD Industry」内で「バーチャル展示会」を開催。「FOOMA JAPAN2021」のブースを撮影し、新製品・特長品の説明、採用事例などを掲載しており、アクセス数を伸ばしている。

製品動向としては、樹脂コンベヤベルトの新たな加工ラインアップである「ミスターProジッパー」は、リネン業界の交換需要で多くの引き合いが得られ、高所や狭い作業性が求められる現場においての引き合いが伸びている。「ミスターバンシール」は、新たに品種を順次追加しており、シール材も当初ラインアップした透明色に加え、あえて視認させるための青色もラインアップに追加、ユーザーの選択の幅を広げることによって引き合いの伸びも順調に推移している。「紙幣/カード搬送用歯付ベルトUVH仕様」は、海外のポリマー紙幣対応地域などにおいて需要が多く、順調に引き合いを伸ばしている。

樹脂コンベヤベルトは、今年6月1日施行の「改正食品衛生法」の食品用器具・容器包装に対して、ポジティブリスト制度が導入されたことで、ポジティブリスト適合化を推進。5年の経過措置はあるものの、多くの品種を早期適合させることで、ユーザーが安心して採用することができるよう努めていく。

その他の新製品開発についても、ユーザーや市場の意見・ニーズをくみ取った開発を行っており、顧客満足度の向上に尽力。連続的に新製品を市場に投入することでユーザーからの評価を受け、新たな意見・ニーズの確認から製品開発につなげるサイクルを回していき幅広い需要を取り込んでいく。同社のホームページ内の特設サイトでは、今まで取引のなかった相手とも取引が開始するなど、順調な広がりを見せている。今後は、さらなるコンテンツの強化を実施し、マーケティングと営業が連携・共有することによって市場にタイムリーな提案をしていく取り組みを強化する。

事業環境を取り巻く大きな問題としては、サンラインベルトを含む搬送用樹脂ベルトに使用されているポリウレタンゴムをはじめとする原材料価格の高騰が継続。ユーザーへの安定供給を第一に考えて原材料の調達に努め、価格上昇分を生産性向上およびコスト削減などによって吸収し、これまで製品価格の維持に取り組んできたが、企業努力だけで吸収できる水準を超える厳しい状況となっている。今後も製品の品質維持・向上に力を注ぎ、顧客が満足を得られる製品を安定供給していくため、来年1月1日受注分から製品価格を改定する。

また、カーボンニュートラルの流れが加速する状況にあって、コンベヤベルトの大きな需要先である製鉄、石炭火力等での需要は減少していくものと推測。そうした状況においても飛散防止に貢献するパイプコンベヤや、搬送物の落下防止および搬送量の向上に貢献する非付着性ベルト、イージーリリースNeoなどといった特長ある製品の需要は増加するとみており、顧客の作業現場の環境改善に役立つ製品の販売に注力していく。

今後の展望としては、物流においては今後自動化や効率化が加速し、自動倉庫、物流の新設・増設は今後も増えると予測。ベルトとしても堅調に推移していくものと見込んでおり、今後もサービスの充実と連携を強化していく。