【ゴム・樹脂コンベヤベルト特集】
三ツ星ベルト
「ママライン」新シリーズ
多面的な販売活動を
三ツ星ベルトが取り組んでいる搬送用ベルト事業の状況については、樹脂コンベヤベルトの販売状況は比較的好調に推移したものの、ゴムコンベヤベルトの販売は伸び悩んだ。食品業界向けは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が比較的少なく、同社においては2019年度に近い水準までの回復を目指している。物流業界向けについては、案件が徐々に増えつつある。
空港用の搬送ベルトの今後の需要見通しは、東京オリンピック前に交換需要は一巡。コロナ禍によって人の流れが止まったことで、空港のコンベヤベルトの稼働時間も大きく減少したことから、補修需要に影響してくることが予想される。
ゴムコンベヤの伸び悩みは、大型のベルト取り替え案件の減少、公共工事などの延期などといった状況が影響した。
新たな展開としては「ママライン」におけるグローバルな食品衛生法に適合した新シリーズ「ママラインUWシリーズ」を展開。国内の食品衛生法(厚生省告示第370号・平成30年法律第46号、通称ポジティブリスト)への適合をはじめ、欧州のPIM規格(Regulation EU10/2011適合)、米国のFDA177―2600抽出試験にも適合しており、食品に直接触れる用途に安心して使用できる。平面タイプのほか、高グリップで洗浄が容易なサークルコーンパターン、ウェイブパターンをラインアップしており、食肉や魚などのスライサーの送り込み部分で利便性を発揮する。平面タイプには白とコバルトブルーの2色が用意されており、2000㍉幅までへの対応が可能、パンや菓子生地の搬送や包装ラインで効果を発揮する。このほか、食品搬送用途では「フリースパン」ベルトにブルータイプを追加。食品の色で自然界にはほとんど存在しない鮮やかなブルーに色付けされていることで、異物や残滓の発見、清掃効果の確認に適している。樹脂コンベヤベルト「Tailor belt」のブルーベルトとの組み合わせにより、工場内の搬送用ベルトをブルーに統一することができる。このフリースパンベルトに使用している抗菌・防かび性、耐湿熱に優れたポリウレタンも厚生省告示のポジティブリストに収載された原材料を使用しており、改正食品衛生法に適合している。食品を直に搬送することができることから、パンや菓子生地などといった食品搬送のほか、医薬品などの包装品の搬送にも適している。
搬送現場の効率的な運用に向けては、コンベヤベルトにかかわる点検業務をサポートする「Tailor―note」を開発。ベルトの損傷状況や交換履歴などをデジタル記録として残すことができ、食品工場においてはベルトの洗浄履歴を記録することによって、食の安全を確保するための衛生工程管理(HACCP)のサポートを行うことができる。さまざまな分野での応用が可能で、使用しているコンベヤベルトの品種などといった情報を管理し、点検記録、管理業務にかかる時間を削減。履歴の記録、情報の共有化、遠隔管理も実現した。点検・チェックに要する作業も簡単で、専用端末によってベルトに付いている二次元コードから情報を読み取った後、ベルトの交換履歴や点検記録がパソコンに出力される。
最近では、オンラインによるウェビナーの開催など、ウェブを効果的に使ったアピールの手法にも力が注がれている。全国各地で実施してきた販売店向け説明会の「きら星会」も対面における開催が困難な状況が続いているが、ユーザーのお困り事を解決するための新製品開発と、「ウェブセミナーの開催やウェブ展示会への出展にも積極的に取り組み、多面的な販売活動を促進させたい」としている。