2022年2月25日

2021年12月期決算発表
横浜ゴム

すべて過去最高達成
ATGも最高の成果上げる

横浜ゴム(山石昌孝社長)は2月17日、決算発表を行った。それによると当期の売上収益は前期比21・7%増の6708億900万円、事業利益は同73・3%増の621億6200万円、営業利益は同132・4%増の836億3600万円、当期利益は同148・9%増の655億円となり、いずれも過去最高を達成した。売上収益においては、昨年11月にハマタイト事業の譲渡を完了させたことから、同事業を非継続事業に分類し、前年同期についても遡及して組み替えを行っている。「主力のタイヤ事業において原材料価格や物流費の高騰、国際物流網の混乱、新型コロナウイルス感染症などの影響を受けたものの、北米を中心とした値上げの浸透および為替が円安に推移したことで、売り上げと利益を伸ばした」(山石社長)。営業利益には本社ビルの譲渡益が計上されている。事業利益における増減要因としては、タイヤ事業において販売量で202億円、価格/MIXで187億円、製造原価の低減によって65億円、為替差益で44億円、特殊要因で12億円の増益要因があり、原料価格の高騰による161億円(天然ゴム55億円、合成ゴム36億円、配合剤48億円、その他22億円の影響額)、変動他(量影響34億円、単価影響123億円)、固定費の増加による5億円の利益圧迫要因をしのいで、186億円の増益を果たした。タイヤ以外ではATGが59億円、MB(マルチプル・ビジネス)が9億円、その他が8億円の増益となり、トータルでの事業利益は前期に対して263億円の増益となった。

セグメント別では、タイヤ事業の売上収益は前期比17・8%増の4702億300万円、事業利益は同78・0%増の426億8600万円。新車用タイヤは、世界的な半導体不足などによる生産調整の影響を受けたものの、全体では前年同期の実績を上回った。市販用タイヤは、国内外において高付加価値商品を拡販、おう盛な需要への生産対応に努めたことに加え、国際物流におけるコンテナ不足や輸送遅延に対して必要な対策を迅速に講じた結果、北米、欧州での販売を伸ばした。インドなどアジア地域での販売も伸ばしたことで、売上収益は前年同期の実績を上回った。

MBの売上収益は同6・8%増の844億3800万円、事業利益は同30・5%増の37億8100万円。非継続事業のハマタイト事業の売上収益は161億9300万円、事業利益は50億8600万円となった。ホース配管事業は、市況の回復により建機向けを中心とした油圧ホース販売が好調に推移、売上収益は前年同期の実績を上回った。工業資材事業は、コンベヤベルトの国内販売が好調であったものの、海洋商品での大型補用品プロジェクトの延期などにより売上収益は前年並み。航空部品事業は、民間航空機向けの需要減退の影響が大きく、売上収益は伸び悩んだ。

ATGの売上収益は同64・8%増の1072億8400万円、事業利益は同67・0%増の147億1400万円。農業機械用・産業車両用タイヤをはじめとするオフハイウェイタイヤはともに好調に推移し売上収益、事業利益は前期の実績を上回り、過去最高となった。

今期については、売上収益は前期比11・8%増の7500億円、事業利益は同3・5%減の600億円、営業利益を同30・1%減の585億円、当期利益を同38・9%減の400億円を見込んでいる。