2022年2月25日

信越化学工業
シリコーン事業で800億円超投資

国内主力工場中心に実施
事業をさらに拡充

信越化学工業(斉藤恭彦社長)は、主力事業の一つであるシリコーン事業において800億円を超える設備投資を行い、同事業をさらに拡充することを発表した。

同社は2018年9月に発表を行ったシリコーン事業における1100億円の投資計画で、中間原料であるシリコーンモノマーを日本とタイの2拠点で生産能力を増強し、従来比で約1・5倍の能力増とした。同事業の川下に当たる分野に対する投資はこれまでも適宜行ってきたが、高機能製品を中心に顧客から一段と強い需要があるため、今回の設備投資において、さらなる生産能力の増強を図る。同社では既に新製品の開発を強化し、製品構成をいわゆるスペシャリティに重点を置くことを表明しており、今回はそれを強化するための投資として行われる。現時点での計画では投資金額は800億円を超える見込みで、これにより、おう盛な需要に対応するとともに、安定供給体制を強化する。

今回生産能力増強を行うのは、オイル系・レジン系・ゴム系の最終製品で、多岐にわたる。また、新規では省エネルギーと生産性の向上を実現する二次加硫不要成形用シリコーンゴムの設備やマイクロLED関連材料の試作設備の導入など、環境負荷の低減や先端技術に寄与する取り組みを推進する。一連の設備投資は主力工場の群馬事業所(群馬県・安中市)をはじめ、武生工場(福井県・越前市)、直江津工場(新潟県・上越市)の国内工場を中心に実施し、25年までに順次完成させ、操業開始を目指している。