日本ゴム工業会
「第26回幹事会」開催
新会長に清水氏(TOYO TIRE社長)就任
日本ゴム工業会(池田育嗣会長)は5月27日、東京都千代田区の経団連会館において「第26回幹事会」を開催した。幹事会に先立って理事会が行われ、役員改選の結果として清水隆史氏(TOYO TIRE社長)を新会長に選任、副会長には新たに山石昌孝氏(横浜ゴム社長)、西井英正氏(弘進ゴム社長)が就任し、東正浩氏(ブリヂストンJoint Global COO)は重任した。
清水新会長は、就任のあいさつで「池田前会長から会長の任を引き継ぐことになった。これまで副会長を4年にわたって務めてきたが、今にあって物事に取り組む際、常に原理原則に従った行動をとるよう心掛けている。現在のように、朝令暮改のごとく常識の有り様が変動する時代にあっては、常に原理原則に立ち返って行動することで、新たな展望を引き寄せることができるものと信じている。昨年度もコロナ禍によって大幅な制限を受けたが、当会では昨年、外国人技能実習生の初級評価試験を実施した。地球温暖化対応では2050年のカーボンニュートラルへの取り組みとして、地球温暖化対策長期ビジョンも策定した。昨年度から始めたこれらの取り組みについては、今年度から本格的に実行に移る。当業界を取り巻く環境としては、半導体不足やサプライチェーン強じん化などといった課題が山積しており、主力ユーザーである自動車業界では、大変革の波にさらされるなど強い逆風の中に立たされている。こうした状況にあって、会員企業に役立つ活動を第一に考えながら、皆さんと一緒になって当会を発展させていきたい」と述べた。
池田前会長は「2期4年にわたって会長の職務に就いたが、中でも外国人技能実習制度の導入が際立って記憶に残っている。ハードルは高かったが、担当委員の努力のたまものであり、会員企業の協力の成果であると感服している。これからの活動を通じて、日本の技術力の優位性を世界に向けてアピールし、さらなる発展に臨んでいくことを願っている」と述べ、新体制の今後の活躍に対する期待の気持ちを表した。
引き続き、新たに「食品接触材料委員会」の設置について報告。改正食品衛生法の20年6月1日の施行により、合成樹脂における食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度がスタート。こうした状況を受けて、ゴム業界としての対応を検討する目的で発足させた。行政や関連団体などとのパイプ役を果たし、情報交換などを通じて業界としての今後の対応を模索する。
続いて資料報告が行われ、ゴム製品の生産および輸出入概況、中小企業委員会、最近の資材動向、中小企業会員景況調査の結果等の報告が行われた。
幹事会後には、令和3年秋の褒章において、藍綬褒章を受章した西井副会長に祝意を示して、記念品が贈られた。