2022年6月15日

〈2022年3月期決算〉日精樹脂工業
売上高過去最高更新

営業・経常・純利益大幅増

日精樹脂工業(依田穂積社長)は5月31日、ウェブを通じて「決算説明会」を開催した。それによると売上高は前期比17・1%増の487億3100万円、営業利益は同125・1%増の25億7700万円、経常利益は同174・6%増の29億4000万円、当期純利益は同347・6%増の26億8000万円となり、売上高は過去最高を更新した。新型コロナウイルス感染症の影響により、低調であった需要が回復基調で推移したことなどにより、売上高が増加。利益については、主力の射出成形機の需要が自動車関連を中心に回復したことなどから営業利益、経常利益、四半期純利益とも大きく増益した。当期の配当については、年間で1株当たり前期比10円増の30円を予定している。配当性向は21・8%で、配当金総額は5億8500万円。

営業利益(製品別)における増減要因は、成形機の販売台数増加により16億800万円、周辺機器、金型等の伸びで2億6500万円、部品の販売増で3億700万円の増益があり、マイナス要因であった管販費の増加分7億4800万円を補って利益を押し上げた。管販費の内訳は、運搬費などの変動費を前期比3億1400万円圧縮したが、給料手当4億2300万円、手数料1億1700万円、租税公課1億400万円の負担増が影響した。

製品別の売上高は、射出成形機が前期比21・1%増の379億8900万円。国内・海外ともに自動車関連を中心に需要が増加した。周辺機器の売上高は同15・0%増の20億4000万円、金型等が同14・7%減の20億6100万円で、トータルで9000万円のマイナスとなったものの、部品の売上高が同10・0%増の6億64000万円となり、過去最高に貢献した。

地域セグメント別では、日本の売上高は同16・7%増の164億8200万円、セグメント利益は18億2900万円(前期は1億1300万円の損失)。欧米地域の売上高は同8・9%増の178億7900万円、セグメント利益は同35・5%増の4億8500万円。いずれの地域も、自動車関連などの需要が堅調に推移した。アジア地域の売上高は同30・0%増の143億6900万円、セグメント利益は同59・8%増の8億1400万円。IT関連を中心に需要が堅調に推移した。

今期については、新型コロナウイルス感染症により停滞した経済活動の回復継続が見込まれるものの、半導体不足、鉄鋼価格の上昇、プラスチック材料の不足、値上げなどの懸念から先行きは不透明。世界において環境問題が指摘されており、その対応が急務となっている事業環境にあって、同社グループでは、売上高を前期比4・7%増の510億円、営業利益を同16・4%増の30億円、経常利益を同5・4%増の31億円、当期純利益を同29・1%減の19億円と見込んでいる。

配当については、創業75周年記念配当金5円を上乗せし、年間で1株当たり35円を予定している。配当性向は35・9%。