2022年7月5日

ダイセル
神戸大学と包括連携協定締結

神戸の立地生かした産学連携推進

ダイセル(小河義美社長)は6月23日、神戸大学(本部・神戸市灘区、藤澤正人学長)と、研究・技術の発展と社会への貢献を目的とした「包括的な産学連携推進に関する協定」を締結した。

神戸大学は〝知と人を創る異分野共創研究教育グローバル拠点〟をビジョンとして掲げ、企業や地元自治体と連携し、研究成果を社会に実装する取り組みを推進している。一方、ダイセルは中期戦略「Accelerate2025―Ⅱ」において〝メディカル・ヘルスケア事業構想〟〝カーボンニュートラルへの貢献〟などの実現を掲げている。

ダイセルと神戸大学は、両者が融合することによって研究・技術の交流を図り、両者が持つ知識、技術を共有することをきっかけに産産学学連携も視野に入れ、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて研究・技術の発展および社会に貢献していく。

同協定では、共同研究・受託研究等の企画・実施、組織的連携による人財育成、神戸の立地を生かした産学連携の推進などを定めている。メディカル・ヘルスケア領域をはじめとする成果でイノベーションを創出することを目指しているが、具体的な共同研究テーマとしては、メディカル・ヘルスケア領域で「機能性食品素材の機能評価とメカニズム解明」による健康増進、グリーンケミストリー領域において「水素/メタンのガス分離膜の開発」によるGHG(温室効果ガス)削減への寄与を起点にこれらに続くテーマの検討も進め、イノベーション創出につながる研究領域の拡大を図っていく。

当日、神戸大学で小河社長、藤澤学長による協定書の署名が行われた後、記者会見を開催。初めに藤澤学長が「ダイセル様はメディカル領域とカーボンニュートラルへの貢献を掲げられている点で本学の目指す方向性と一致しており、新たなイノベーションを目指すために非常に重要なパートナーであると考えている。今回の連携では両者の持つ強みを相乗的に融合させることを目的として、まずはメディカル・ヘルスケアとグリーンケミストリー領域で、健康増進や脱炭素に貢献する研究を共同で推進することを予定している。ダイセル様の研究者にも大学に来て頂き、学生も交えた継続的な産官学共同研究や充実したインターンシップ授業を協働することで社会が求める優秀な人財の育成にも取り組んでいきたいと考えている。今回、このような兵庫を地盤として未来を切り開くエネルギーに満ちた両者が連携することにより、双方にとってウィンウィンとなる研究・教育共同開発基盤を確立できることを大変喜ばしく思うとともに、非常に意義深いものであると考えている」とあいさつを行った。

続いて小河社長が「われわれとしては当社の素材を用いてどのような貢献ができるかいろいろ考えていきたい。医療業界に貢献するような形で、今までの事業形態を発展させていく中で神戸大学さんの持つ技術力あるいは研究者の方々が持つネットワーク,こういったものを活用して一緒にさせて頂く中で、もっと社会貢献で具体化できることがあるのではないかと考え、今回一緒にやっていこうということになった。ただこれは一つのきっかけであり、これを突破口にさまざまな展開を行っていく必要がある。また従来の企業という形を超えて新しい事業体をつくっていく必要があると考えており、ぜひ神戸大学さんの人文系の皆さんと連携をとってそういった事業の形、法整備等もさまざまなところに発信していく力になるのではないかと思っている。ダイセルはこの兵庫にたくさんの拠点を持つ企業としても兵庫の地を動かしたいということもあり、研究成果を上げるだけでなく、自治体との交流や若い方々との場を設けて地元の活性化にもなっていくような地域創生といった道筋も通していきたいと思っているので、ぜひわれわれの活動も注目してみて頂きたいと思う」と、協定による期待を示した。