2022年8月25日

横浜ゴム
インド新工場でOHT生産開始

第2期増強で日量132万㌧計画

横浜ゴム(山石昌孝社長)は、農業機械用タイヤなどオフハイウェイタイヤ(OHT)の生産販売子会社であるYokohama Off―Highway Tires(ヨコハマ・オフハイウェイタイヤ、以下、YOHT)の生産能力増強に向け、インド・アンドラプラデシュ州において建設を進めてきたヴィシャカパトナム工場で生産を開始した。これに伴い、8月16日にアンドラプラデシュ州のジャガン・モハン・レディ州首相ならびに夛賀政幸在チェンナイ日本国総領事を招いて開所式を開催。横浜ゴムグループからはニティン・マントリ取締役常務執行役員OHT事業部長が参加した。新工場は当初、2023年第1四半期から開所する予定だったが、世界的な需要増に迅速に対応するため前倒しで生産を開始した。

開所式であいさつに立ったマントリ取締役常務執行役員OHT事業部長は「品質と生産性において、OHT業界最高水準となる新工場の完成に大変感激している。今回の生産能力の増強によって、世界中のお客様への商品供給リードタイムを短縮していく」と述べた。

YOHTは現在、インドのグジャラート州にダヘジ工場、タミル・ナドゥ州にティルネルヴェリ工場を稼働させており、主力ブランドであるALLIANCE(アライアンス)、GALAXY(ギャラクシー)、PRIMEX(プライメクス)の農業機械、建設車両、産業車両、林業機械用タイヤなどの生産販売を行っている。YOHTは市場の成長率を大きく上回る成長を続けており、これに対応するためダヘジ工場の生産能力を1・6倍に引き上げる拡張に加え、20年第3四半期からヴィシャカパトナム工場の建設を推進。新工場の年間生産能力は第1期が日量69㌧(ゴム量)、第2期増強分を加えて日量132㌧(同)を計画しており、第2期の生産開始を24年第1四半期に予定。将来のさらなる能力増強も視野に入れている。

横浜ゴムは21~23年度までの中期経営計画「Yokohama Transformation 2023(YX2023)」(ヨコハマ・トランスフォーメーション・ニーゼロニーサン)のタイヤ生産財戦略においてOHT事業をさらなる成長ドライバーとして設定。このため「YOKOHAMA」「ALLIANCE」「GALAXY」「PRIMEX」「AICHI」のマルチブランドによる市場展開と顧客要望への対応力を強みに事業拡大を推進。生産能力増強により、グローバル競争力の強化を加速させている。

【ヴィシャカパトナム工場の概要】
▽会社名=ATC Tires AP
▽所在地=インド・アンドラプラデシュ州ヴィシャカパトナム、アチュタプラム工業団地
▽事業内容=オフハイウェイタイヤの生産・販売
▽生産品目=ALLIANCE、GALAXY、PRIMEX
▽敷地面積=約39万㎡