2022年9月25日

〈トラック・バス用タイヤの技能競技会〉
ブリヂストン

実技を競う全国大会
ソリューション提案力でも

ブリヂストンのグループ会社であるブリヂストンタイヤソリューションジャパン(久米伸吾社長、以下、BTSJ)は、国内同社グループと関連のトラック・バス用タイヤ販売店のスタッフがタイヤメンテナンスの技能を競う競技会「第12回技能グランプリ全国大会」ならびに輸送事業者へのソリューション提案力を競う競技会「第6回生産財セールスマンコンテスト全国大会」を、9月9日に宮城県仙台市で開催した。両競技会には地区予選を含め総勢595人が参加、同社グループのプレミアムタイヤ事業およびソリューション事業の強化に向けた知識や技術の能力を競った。

技能グランプリ全国大会開催の趣旨について、BTSJの執行役員である技術サービス本部の菊地俊夫本部長が説明。技能グランプリの開催意義としては「メンテナンススタッフの知識・意識の一層の向上および運送事業者への高品質なメンテナンスサービスの提供」で、大型車の車輪脱落事故の発生件数などといった社会状況を踏まえ、国交省からの指導強化・レギュレーションを織り込んでブリヂストン作業標準書として編さん。車輪脱落防止に向けた顧客への安全啓発活動を強化するとともに、同社独自の取り組みとして技能グランプリと技能マイスター/技能エキスパート認定制度を立ち上げ、ブリヂストン作業標準を実践できるメンテナンススタッフ育成を目的に、2010年より技能グランプリが開始された。各県ごとにおいて予選会が行われ、全国大会への挑戦者を選出、全国大会において技能マイスター/技能エキスパートが認定される。12年間において延べ4600人が地区予選に参加、このうち460人が全国大会に挑戦している。

12回目の開催となる今回の技能グランプリでは、日本国内1035店舗以上のブリヂストングループおよび関連のトラック・バス用タイヤ販売店の261人が全国で開かれた31の地区予選に出場。予選を勝ち抜いた代表選手40人(ブリヂストタイヤショップ8人、代理店直営4人、BTSJ直営28人)が全国大会においてタイヤメンテナンスの知識や作業スキル、顧客とのコミュニケーション力などを競った。競技レギュレーションは、リア左内輪でパンクが発生し、店で保管しているスペアタイヤに交換するといったシチュエーションで実施。審査項目は全61作業(採点対象78項目)で、顧客を受け入れてからの規定時間(ドライバーへのあいさつや作業内容の確認、作業後の作業報告書記入まで)は23分に定められており、学科としてはリトレッド台判定なども問われた。結果によって順位表彰が行われ、最優秀賞1人、優秀賞2人が選ばれた。

作業の確実性・迅速性を含めた厳しい基準の下で実施されており、高い作業品質基準をクリアすることで、今大会では新たに13人が技能エキスパートに選ばれ、このうち5人が技能マイスターに認定された。認定者はメンテナンススタッフのリーダーとして活動し、メンテナンス技術を次世代へと伝承していくサイクルを継続的に実施するという役割を担う。過去11回の大会において技能マイスター42人、技能エキスパート50人が認定されており、全国で活躍している。

6回目の開催となる今回の生産財セールスマンコンテスト全国大会の趣旨・概要については、BTSJの常務執行役員であるTB・LTソリューション事業本部の仲村克則本部長が説明。今回は、日本国内のブリヂストングループのセールススタッフ334人が地区予選に出場し、予選を勝ち抜いた代表選手16人が全国大会に出場した。最新の市場環境の変化を踏まえた顧客課題を適切にとらえ、それぞれの輸送事業者に最適なソリューションを提案するソリューション提案力が問われる競技会で、輸送事業者から課題を聞き出し、課題解消につながる提案を行う内容で、ロールプレイング形式によって実力を競い合った。

競技設定は仮想の輸送事業者(長距離便用に大型車両10台、地場用として大型車両15台を保有)を想定。取り巻く状況としては、ブリヂストンよりも安価なタイヤメーカーA社の製品をメーンに採用しており、人手不足(特にドライバー)を感じている。SDGsに関心を持っているものの、具体的な施策を実施できていない。メンテナンス状況としては自社整備で、整備管理者がすべての車両のタイヤをチェックしているという設定の下で行われた。競技時間は20分(22分で強制終了)で、コンテストの終了後には、順位表彰が行われ、最優秀賞1人、優秀賞2人が選ばれた。