2022年9月25日

〈トラック・バス用タイヤの技能競技会〉
TOYO TIRE

作業のスキル高める
技術向上と手順標準化徹底

TOYO TIRE(清水隆史社長)は9月8日、9日の2日間、新潟トーヨー長岡新産営業所(新潟県長岡市)において、タイヤのメンテナンスサービスに従事する販売会社のサービスマンを対象に「第3回トラック・バスタイヤ作業コンテスト」を開催した。同社では①作業手順の標準化②作業にかかわる知識とスキルのレベルアップ③サービスエンジニアの育成④TOYO TIREグループへの作業基準の徹底と、4つの基本テーマを掲げてこのコンテストを主催。2018年の第1回開催以降、20年、21年については新型コロナウイルスの影響で中止を余儀なくされたため、今回は3年ぶりの開催となった。

開催2日目の9日、メディア向けの説明会であいさつに立ったTOYO TIRE販売統括部門の網崎晋平アジア・オセアニア営業本部長は「この作業コンテストは、タイヤ交換作業を行うサービスパーソンの技術向上と作業標準化の徹底を図ることを目的としており、作業に携わるスタッフとタイヤを使用するお客様の安全を守ることにつながる重要な取り組みの一つとして開催している。当社ではこういった活動を継続的に実施していくことで、安全なモビリティ社会の実現に貢献していきたい」と述べ、従業員と顧客の安全確保に向けた真しな思いを表した。また、引き続きコンテストの概要の説明にあたったトーヨータイヤジャパンの荒木隆史取締役執行役員企画本部長は「当社は単にタイヤを納入するだけではなく、高品質なサービスの提供と安全啓もう活動を通じた〝安心〟を提供することで、物流会社の安全に貢献するパートナーとして、お客様とともに歩んでいきたい」と同社の目指す方向性を明らかにした。

TOYO TIREでは、従来からタイヤメーカーの務めとして乗用車タイヤの安全啓発活動に力を入れている。独自のドライブシミュレーターを駆使して雨天時の制動距離の違いや、空気圧不足・摩耗したタイヤの危険性などをドライバーに啓発する活動を展開しており、さらに運輸業界に向けてもトラック・バス用タイヤの安全講習会を開催。年間を通じてそうした各種の講習会を実施することで、タイヤにかかわるトラブルの未然防止と燃費向上にも寄与する活動を推進。この作業コンテストもそういった取り組みの一環であり、顧客の安全を下支えする大きな役割を担っている。

今回のコンテストにはトーヨータイヤジャパンの全国5支社から選出された同社本部主催の「サービスマン研修」の受講を完了した8人と、販売代理店(新潟トーヨー、大西タイヤ)からの2人による総勢10人の精鋭がエントリー。開催初日の8日は筆記テストが行われ、サービスマニュアルや時事情報からの設問によって、タイヤの基礎知識と作業時の注意事項についての理解度が試された。また、翌9日にはISO規格に準拠する大型トラクターのヘッドを用いて実技を審査。設定されたシチュエーションとしては左リア内のパンク修理で顧客が来店、制限時間35分以内で選手は作業を完了させ、80カ所にわたるチェックポイントおよび全体的な作業遂行の印象を基に審査員は採点を行った。審査において特に注視された事項としては好感度の高い接客は当然のことながら、『正しい作業知識・適切な報告書の作成・不良原因予見』の習得度合や、同社の作業標準に沿った『安全かつ正確な作業』の遂行度合いのほか、『作業・点検内容の顧客への説明、作業完了後の増し締めのための再入庫の提案』などで、主に車輪脱落事故防止のための作業ポイントに重きを置いた。

厳正な審査の結果、見事1位に輝いたのはトーヨータイヤジャパン関東支社第一営業部 深谷営業所の高野将太氏。また2位は同西日本支社第二営業部 広島営業所の内本辰朗氏となり、両名にはTOYOTIRE国内グループにおいて、トラック・バス用タイヤの交換作業を行うサービスマンのトップクラスの称号である「Service MASTER」が授けられた。

コンテスト終了後に最優秀選手の高野氏は「序盤は緊張もあったが、競技がスタートしてからは日常の業務と同じく集中して作業を行うことができた。反省点としては作業手順を確認する〝声出し〟が不十分だったので今後も徹底に努めていきたい。当社に入社してから20年を迎えるが、長らくの営業職を経て、昨春からサービスマンとなった。これからもタイヤの販売もできて、高品質な作業が行えるタイヤのエキスパートを目指していきたい」と、今後の一層の飛躍を誓った。