2022年9月25日

積水化学工業 日立製作所
先進デジタル技術を用いた協創開始

材料開発MI推進
効率的に特性や知見を探究

【MI推進に向けた両社の協創】

【MI推進に向けた両社の協創】

積水化学工業(加藤敬太社長、以下、積水化学)と日立製作所(小島啓二社長兼CEO、以下、日立)は、材料開発におけるマテリアルズ・インフォマティクス(MI)の推進に向け、協創を開始する。

今回の協創は材料に関するデータとAIなどのデジタル技術を駆使することにより、短期間で効率的に材料特性や知見を見いだすことが可能なMIの推進に取り組むもので、新材料開発の加速や研究開発の効率化・高度化を目指す。日立のLumada(顧客のデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称)で展開されるさまざまなソリューションのほか、先行研究として進める先進技術も幅広く活用し、積水化学の実業務においてその有用性の検証を行う。

具体的には、MIに必要となる材料開発のためのナレッジや実験データを社内外から自動で収集・整理・蓄積・統合し、最大限活用できる環境を構築する。また、実験ワークフローをサイバー空間上で表現したデジタルツインの構築によって材料開発の領域におけるサイバーフィジカルシステムの有用性の実証を進めていく。なお、これらの検証は、積水化学の機能性材料に関する研究を対象に開始される。

積水化学の材料開発分野における高度なナレッジ・実績と、日立の先進デジタル技術・ナレッジを融合することで、サステナブルな社会に向けたデータ駆動型の材料開発基盤の実現を目指す。

今回の協創は2021年度に実施された、日立の「協創の森」(東京都国分寺市)における、研究開発部門が開発した3つの技術に関する紹介と、積水化学の「水無瀬イノベーションセンター」(大阪府三島郡)における実際の実験に基づく意見交換を行うことで実現した。

協創の内容は①CMOSアニーリング(磁性体の性質を説明するために考案されたイジングモデルを用いて組み合わせ最適化問題を解くために日立が開発している新型コンピュータ)を活用した材料特性の最適条件探索による、材料開発の高度化②AIを用いて材料開発知識の整理を自動化し、多様な知識を蓄積するナレッジベースを構築③実験デジタルツインの構築と実験データ収集の自動化による材料実験業務のDX化の3点。

今回の協創開始に先立ち、両社は21年度よりデータ管理・アナリティクス基盤の実用性、有用性の検証を行ってきた。今後も積水化学と日立は、さまざまな新技術を適用した共同実証を行い、市場ニーズの把握から材料開発までのリードタイム短縮を目的とした、研究開発のDXおよびMIの推進加速に取り組む。これにより、新材料でのソリューション提案を実現し、サステナブルな社会の実現をはじめとする社会課題の解決に貢献していく。

なお本協創は、日立が10月25~27日に開催する「Hitachi Social Innoⅴation Forum2022Japan」の協創セッション「積水化学工業との最新デジタル技術を活用した研究DX」で紹介される。

詳細は、オフィシャルサイト(https://www.service.event.hitachi/)で。