横浜ゴム
海外向け油圧用高圧ホースシリーズを統合
ISO準拠商品もリニューアル
横浜ゴム(山石昌孝社長)は海外向け油圧用高圧ホースの販売競争力を高めるため、主力の3シリーズを統合し、10月から「Versatran(バーサトラン)」ブランドとして発売する。商品名のバーサトランは〝ⅴersatile(用途が広い)〟と〝transfer(運ぶ)〟を組み合わせて命名された。
統合の対象となるのは国際規格ISO18752(2006年に横浜ゴムなど日本ゴムホース工業会のメンバー企業が中心となり、作成した液圧用繊維・鋼線補強ゴムホースの規格で、使用圧力と口径を基準にホースを選ぶユーザーの目線に立ち、使用圧力をベースに構成)に準拠した「Eⅹceed(エクシード)」、米国のSAE規格、欧州のEN規格に準拠したバーサトランおよび「100R1/100R2」。併せてホース印字や品番体系の刷新も行うことによってグローバル認知度やブランド力の強化に加え、ユーザー利便性の向上を図る。
今回の統合に併せて国際規格ISO18752に準拠したホースのリニューアルも行われる。新商品は旧エクシードのホースに、以前よりバーサトランに搭載していた新開発カバーゴムを採用。エクシードの特長であるコンパクトな曲げ半径や柔軟性、耐久性はそのままに、新たに難燃性能を追加するとともに耐摩耗性能も向上させ、鉱山をはじめとした一層過酷な使用環境に対応した商品へと進化。鉱山機械用の高圧ホースに必要とされる米国鉱山安全衛生局(MSHA)の難燃性能規格をクリアするとともに、耐摩耗性能を従来品と比較して約20倍向上している。また、鉱山などでのホース使用で発生する静電気による発火を防止するため、オーストラリア規格協会が発行しているAS規格に対応した導電性も付与されている。
横浜ゴムのMB事業では、強みであるホース配管事業と工業資材事業にリソースを集中してMB事業の成長をけん引し、安定収益を確保できる構造を目指している。ホース配管事業においては油圧ホース市場におけるプレゼンスのさらなる拡大を掲げ、幅広いユーザーニーズを満たす商品開発を図っているほか、国内外の生産拠点で生産能力の増強を進めている。