2022年10月25日

住友ゴム工業
バイオポリマーの開発に成功

夢の低燃費タイヤ開発へつなげる

住友ゴム工業(山本悟社長)は、東北大学の高橋征司准教授、金沢大学の山下哲准教授、埼玉大学の戸澤譲教授らと共同で、夢の低燃費タイヤの開発につながるバイオポリマーの合成に成功した。この研究グループは、独自に開発した改変トマト由来酵素を触媒とすることで、ポリマーの先頭モノマーを選択できることを発見。これを基に、今回合成したバイオポリマーにはタイヤ性能向上に有効な先頭モノマーを使用している。今後研究を進めることで2040年代を目標にさらなる低燃費タイヤを開発し、持続可能な社会の発展に貢献する。

同研究グループはこれまで、鎖長に影響を及ぼす天然ゴム合成酵素の重要部位を特定、その重要部位をトマト由来酵素に組み込んだ改変トマト由来酵素を用いて、自然界には存在しないバイオポリマーの合成に成功している。

今回、改変トマト由来酵素の研究を進めたことで、トマト由来酵素が用いる先頭モノマーの選択性が弱くなり、本来の先頭モノマー以外のモノマーでも合成可能であることを発見。この特性を利用することによって、先頭モノマーを選択した全く新しいバイオポリマーを合成することに成功した。

これらの研究成果は、10月9~12日(現地時間)にかけてアメリカのボーゼマンにおいて、産業利用可能な作物の利用を促進するために設立された国際的非営利組織が開催した「the 33rd the Annual Association for Advancement of Industrial Crops(AAIC)meeting」で発表された。

同社では今後も、天然ゴムの安定供給とともに、安全・安心で環境負荷の少ないタイヤの提供を通して、持続可能な社会の発展に貢献していく。