2022年10月25日

信越化学工業
業界初のシリコーン皮膜形成エマルジョン

繊維処理向けに高機能製品投入

信越化学工業(斉藤恭彦社長)はこのほど、繊維処理用途向けに業界初のシリコーン皮膜形成エマルジョンを開発した。

従来のシリコーン皮膜形成エマルジョンではできなかった不要な低分子シロキサンを低減した低VOCのエマルジョンで、従来品のアニオン(陰イオン)性シリコーン皮膜形成エマルジョンでは、カチオン(陽イオン)性の成分に皮膜形成機能を付与できなかった。新製品はカチオン性であることから、イオン性が同じカチオン性の成分に皮膜形成機能を付与できる。

繊維処理工程ではカチオン性の薬剤を併用することも多いことから、イオン性が同じ新製品を使用することによって処理槽での安定性が良好になり、作業性が向上。従来品と比較して、繊維への付着性に優れている。新開発のシリコーン皮膜形成エマルジョンは、スズなどの金属系の硬化触媒を添加する必要がなく、乾燥させるだけでシリコーンの皮膜を形成することから、環境や安全に配慮されている。

主な用途である繊維処理用に加え、シリコーン皮膜形成エマルジョンは、抗菌剤などの薬剤のバインダー、樹脂成形物のトップコート剤などに使用。新製品は、いずれの用途にも適しており、それぞれの用途先の顧客に提案をしていく。

同社では、これまで培ってきた技術力とノウハウを生かして高機能のシリコーン製品を開発し、顧客のさまざまな課題解決に努め、持続可能な社会の実現に貢献していく。