ブリヂストン
タイヤ用次世代RFIDタグ早期実用化へ
トッパン・フォームズと共同開発
ブリヂストン(石橋秀一Global CEO)は、トッパン・フォームズ(本社・東京都港区、添田秀樹社長)と共同で、これまで基礎検討を積み重ねてきたタイヤ用次世代RFID(ラジオ・フリークエンシー・アイデンティフィケンシー)タグの早期実用化に向けて、実装技術の開発を10月より開始した。RFIDは、電磁界や電波などの無線通信を用いて、ICタグなどの情報を非接触で読み書きする自動認識技術で、ブリヂストンとトッパン・フォームズでは、双方の企業理念やビジョンなどへの共感を基に、両社が持つ技術を活用した非接触型個体管理技術のタイヤへの適用の可能性を探索。今回の共同開発では、ブリヂストンが持つタイヤ開発・製造技術とトッパン・フォームズが持つRFID分野の技術を融合し、より離れた位置から正確に通信できる次世代RFIDタグの開発とタイヤへの実装技術の確立を目指す。これにより、生産日時、工場検査情報、出荷日時、車両への装着日時、各種タイヤ点検情報などといった個々のタイヤに関するさまざまなデータをより早く、より容易に管理することができるようになる。
現状、輸送業者やタイヤ販売店の現場におけるタイヤ個体管理においては、タイヤ1本ごとに目視で確認作業を実施。トラックなどに装着されているタイヤを確認するためには、車両下への潜り込みや、タイヤを取り外す必要があり、現場での作業負担が大きくなることが課題となっている。
ブリヂストンとトッパン・フォームズは今回の共同開発を通じて、RFIDタグの通信性能を大きく向上させ、既存技術では難しい、より離れた位置からの正確なデータ読み取りを実現。この次世代RFIDを実装することにより、デジタルによる遠隔でのタイヤデータの読み取りやシステムへのデータ接続が可能となり、作業時間の短縮や安全性・作業性の大幅な改善につなげることができる。人手不足も課題となっている現場の作業を効率化し、作業負担の軽減と作業時の安全性のさらなる向上を推進。タイヤ1本ごとの走行距離やメンテナンス履歴などといった情報について次世代RFIDを通じて入手し、分析することによってブリヂストンが提供する最適なリトレッド、メンテナンスなどのサービス・ソリューションも進化させ、それぞれの顧客のオペレーションに合わせた提供が可能となる。こうした取り組みを通じて、1本のタイヤの価値を最大化し、タイヤを安全で長く、うまく効率的に使用できるようにすることによって、CO2排出量削減や資源生産性の向上を図り、カーボンニュートラル化、サーキュラーエコノミーの実現にも貢献していく。
ブリヂストンの常務役員でソリューション・探索・化工品事業開発管掌の草野智弘氏は「サービス・ソリューション拠点をベースにしたブリヂストン独自のリアル×デジタルプラットフォームの深化にはRFIDが必要不可欠と考えており、2019年に欧州からRFIDを実装したトラック・バス用タイヤの展開を開始している。今回、より高度な個体管理を可能にするRFID技術の開発とタイヤへの実装に向け、多くの知見を有するトッパン・フォームズと共同開発を進めていくことに大きな喜びと可能性を感じている。当社はこの取り組みを通じ、企業コミットメントで掲げる〝Efficiency モビリティを支え、オペレーションの生産性を最大化すること〟〝Economy モビリティとオペレーションの経済価値を最大化すること〟にコミットしいく」と、取り組みへの期待度の高さを示している。
トッパン・フォームズの企画販促統括本部の巣山幸一執行役員統括本部長は「トッパン・フォームズでは過去20年来、RFIDを開発・製造・販売してきた。今までの経験値や蓄積した技術力を生かし、タイヤ・ゴム業界のリーディングカンパニーであるブリヂストンと技術の融合を行い、RFID実装タイヤを実現することによって、モビリティ変革の一助となるための取り組みを進めていく」と、意欲を示している。