2022年11月15日

【ホース・チューブ・継手特集】
十川産業

カタログ製品は回復基調
SDGs展開も重視

十川産業の2022年上期の業績は、売上高については前年対比で2ケタアップとなった。現在の足元までの業績も堅調に推移しているが、収益面についてはナフサの高騰による原材料費のなどの上昇が大きな圧迫要因となっており、安定供給を踏まえた適正価格を維持する目的から、昨年秋に価格改定を実施、今年の夏(7~8月)に2次価格改定を実施した。現在、ナフサは依然として高止まりの状態にあり、原材料品の高騰は依然としてコスト圧迫要因となっているが、同社としては現段階では第3次の価格改定の予定は立てていない。

原材料における需給のひっ迫度は深刻化しており、特にフッ素樹脂は量的な確保でさえ危ぐされる状況にあるが、同社では最低限のフッ素樹脂は確保しており、生産面への影響は生じていない。需要業界については、半導体製造装置、電子部品関連分野はコロナ禍前から引き続き好調に推移。カタログ製品についても回復基調をたどっており「MEGAサンブレーホース」「MEGAハイプレッシャーホース」「スーパートムフッソeasyホース」「スーパートムフッソチューブ」などといった製品も伸びを見せている。

販売戦略としては、コロナ禍における対応策として実施してきたリモートやオンライン展示会などといった展開では限界があり、現在においては、これまでの対面展示会(リアル展示会)出展へと回帰させており、今期に入ってからもリアル展示会へ出展、対面における効果に手ごたえを得ている。〝お困り事相談〟などといったニーズのくみ上げについては、アぺルザTV(製造業向けなどに特化した動画プラットフォーム)などを駆使して対応。ウェブにおいては、将来的には独自のEコマースにおけるネット販売を検討している。

企業としての新体制や新たな取り組みについては、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション=パソコン上での定型業務の自動化)の導入検討を行うなど、業務改善や働き方改革に取り組んでいる。DX(デジタルトランスフォーメーション)、BCP(ビジネス・コンテュニティー・プラン=事業継続計画)などといった企業としての成長に向けた改革を手掛けながら、SGDsにおける展開も重視。カーボンニュートラルに代表される環境対応、特にサステナビリティが非常に重視される時勢にあって、同社としてはバイオプラスティックを原料とした製品開発を検討している。

今期の見通しについては、前期比2ケタアップを計画しており、成長路線を歩んでいたコロナ禍前の2019年度の実績との比較でも、2ケタを上回る業績を上げることで、今後はさらに大きな成長路線を描いていく。