2022年11月15日

西部ゴム商組
「第59回商品説明会」開催

タイガースポリマーが環境対応の展開等紹介

西部工業用ゴム製品卸商業組合(小島孝彦理事長)は11月7日、大阪市北区の中央電気倶楽部で「第59回商品説明会」を開催した。今回は樹脂の各種ホース、ゴムシート、押出製品、成形品などを手掛けるタイガースポリマーが説明会社を担当。同社の製品開発への取り組み姿勢、環境対応をコンセプトとした事業展開の現状などを、新製品の概要などを交じえて説明した。新型コロナ感染防止対策として広い会場が使用され、製品展示コーナーのスペースも拡大。主力製品のほか、新製品である「BM(バイオマス)」シリーズ」のホースやチューブ、近日発売予定の「タイダクトホース 難燃GL―HG」型の実物展示も行われ、参加者の関心を集めていた。

今回は、組合員企業から87人が参加。開会に先立ってあいさつに立った工業用品部会の犬伏博明部会長(コーキマテリアル社長)は「今回の担当企業であるタイガースポリマーさんは、早い時期から海外に進出し、独自の技術を駆使して世界を舞台に活躍している。解析能力を高めることにより幅広い分野に独自技術を備えた製品を供給することで、さまざまな業界の発展に貢献してきた。今日は有意義な話を聞かせて頂くことで、今後の発展の原動力となると考えている。説明会も初開催から今年で6年目を迎えるが、メーカーとのつながりを強くすることで、これからも双方の発展に寄与していけることを願っている」と述べた。

タイガースポリマーからは大阪支店の植富男支店長、第一研究室の山名秀和課長が出席、説明役を担った。同社では研究開発拠点として、神戸市西区に研究開発所を開設。人員数は112人で、主な研究開発内容として自動車部品、樹脂精密成形品、家電その他製品、機械装置、樹脂・ゴムの配合の設計開発などを行っている。同社の特長としては「自社で精密成形設備を備えており、自社内で製品の精密解析を行うことができる」(山名課長)。製品設計においては解析、材料、成形、金型技術をつなぎ合わせ、強化することによって新しい価値を創出。解析技術に力を注いでおり、実際に製作する以前に解析できる技術を磨いている。

昨今、環境対応への取り組みは不可欠となっているが、同社では製造現場で時勢的に環境意識が高まる以前よりロスやムダの削減を推進。コスト削減にもつながることから継続的に取り組んでおり、環境経営という言葉が一般化してからは取り組みを一段と強化。製品における同社の取り組みとしては、バイオマテリアルを採り入れる手法を選択し、BMシリーズとして展開している。その第一弾製品として「タイダクトホース GL―BM」「メディルチューブ V580C―BM」を市場に投入。タイダクトホース GL―BMは、バイオマスとして生物由来の素材を、製品全体に占める重量の10%の割合で採用。空調送風用や一般機械類の送風用などの用途で使用される。メディルチューブ V580C―BMは、生物由来の素材を製品重量の45%に使用。軟質塩ビで構成され「メディルチューブ V580C」と同等の物性を備えた透明性の高いチューブであり、理化学機器などの薬液搬送配管などに適している。いずれの製品も、日本有機資源協会の認定を受けたバイオマスマークを取得している。ホースやチューブへのバイオマス素材の採用は、柔軟性を確保する上で困難な課題もあったが、同社ではバイオマス可塑剤を利用することでホースやチューブの素材として最適化。バイオマスのレベル(バイオマス度)は含有割合が増すほど高くなることから、同社では「今後も研究開発を重ねることによって、バイオマス度を上げていく」(植支店長)。

このほか、環境対応製品として「エコ保温チューブ」を紹介。この製品は構造に特長があり、内層に断熱性に優れたシリコーンゴム、中間材にシリコーンスポンジゴム、外装にはガラス繊維ブレードが積層されている。断熱性に優れており、熱エネルギーの効率的な使用に貢献。スチーム配管用カバーのほか、摩耗カスが発生しないことから食品工場の設備で使用されている。

主力製品としては「メディルチューブ」「タイパワーホース耐油WS型」についても説明。タイパワーホース耐油WS型は今期より一部サイズにおいて在庫販売を実施している。

さらに新製品として市場展開された高発泡シリコーンスポンジシート「E5」「E10」を紹介。断熱性に優れており、非常にソフトで滑らかな感触を備えたシリコーンスポンジシートで用途としては各種ガスケット・パッキン類、耐熱クッション材などに適している。第三者機関により「食品、添加物等の規格基準」への適合が確認された原材料が使用されている。

新製品については、近日発売予定の「タイダクトホース 難燃GL―HG型」を発表。難燃性はUL94V―0相当を備えており、ガスバーナーの炎を押し付けても自己消火することから、高レベルの難燃性が求められる吸排気配管、保護管などでの使用に適している。