2022年11月15日

バンドー化学
高負荷対応歯付ベルト「CeptorーX」新タイプ

ウェビナーで概要等を先行配信

バンドー化学(植野富夫社長)は、高負荷対応歯付ベルト「Ceptor―X(セプターテン)」に、小ピッチに対応する「S3M(3㍉ピッチ)」「S5M(5㍉ピッチ)」タイプを新たにラインアップするが、それに先立って新製品の〝製品開発コンセプト〟や〝特長と性能の比較〟などといった新製品の概要を先行配信するウェビナーを10月26日に開催した。同社の高負荷対応歯付ベルトであるCeptor―Xは、伝動容量や同期性に優れた高性能な伝動ベルトで、これまで「S8M(8㍉ピッチ)」「S14M(14㍉ピッチ)」のみをラインアップしていたが、顧客の要求品質に対応し、新たにS3M、S5Mタイプの販売を開始することになった。今回は、機械設計に携わっている担当者や一足先に新製品のことを知りたいユーザー向けにウェビナーで情報発信された。

テーマは「新製品先行配信!高性能な高負荷対応歯付ベルト〝Ceptor―X〟小ピッチS3M、S5Mタイプ」で、説明は、同社産業資材事業部技術部・伝動ベルト設計グループの吉見武将グループリーダーが務めた。

Ceptor―Xは高負荷伝動化(高弾性化、幅狭化)、レスポンス性向上、コンパクト設計、低騒音化などをコンセプトとして開発。同社のCeptor―Xに至る伝動ベルトの進化の流れは、シンクロベルト(歯車をベースに開発・された台形歯型)、スーパートルクシンクロベルト「STS」(台形歯をベースに、高負荷伝動仕様として円弧歯形を採用)、ハイパフォーマンススーパートルクシンクロベルト「HP―STS」(STSをベースに歯部せん断力を向上させた仕様・円弧歯形)、そして前シリーズの「Ceptor―Ⅳ」(HP―STSからゴム・心線の弾性率を向上させた仕様・円弧歯形)、さらに今回の主役となる「Ceptor―X(Ceptor―Ⅳよりもさらに心線を高弾性化した仕様・円弧歯形)へと、ニーズに合わせて改良・進化させてきた。

高負荷伝動がHP―STS(ベルト幅60㍉)に対して、Ceptor―X(同)は伝動容量が約2倍となっており、同一負荷を伝動させるために必要とするベルトの幅を減少させることができることから、機器のコンパクト化が可能となる。

ウェビナーではベルト幅と音の違いを映像によって紹介。STS(40㍉幅)、HP―STS(30㍉幅)、Ceptor―X(20㍉幅)で伝動運動を実施し、STSで98・8デシベル、HP―STSで91・7デシベル、Ceptor―Xで86・3デシベルという結果を示し、Ceptor―Xの静粛性を伝えた。

今回、小ピッチの高負荷ベルトCeptor―Xを新製品として発売する背景として、世界規模で労働人口が減少しており、本格的な高齢化社会へと突入している状況から、労働人口問題の解決策として一段と自動化が求められると推測。高齢化社会への対応としては、介護用ロボットへのニーズが高まり、産業用ロボットの需要が大きく伸びる将来像を描いた。今後のロボットの普及を加味したロボットの将来市場予想として、2020年で2兆9000億円であったものが25年には5兆3000億円、35年には9兆7000億円というNEDOのデータが紹介された。

Ceptor―XのS3M、S5Mのコンセプトについては、Ceptor―Ⅳと比較して伝動容量、ベルト弾性率、スキップトルク、レスポンス特性、ゴム落ち防止性が向上しており、特に標準STSプーリで使用可能であるメリットを強調。新製品によって産業用ロボット分野などにおける小型化、高精度化に対応し、クリーン性も高まることになる。

Ceptor―Ⅳを構成する材料としては、S3Mの背・歯ゴムには高負荷伝動での使用を想定し、高弾性クロロプレンゴム、歯布には耐摩耗性クリーンナイロン帆布を採用。S5Mの背・歯ゴムには、高負荷耐久性向上に向けて高弾性H―NBR系ゴムB、歯布には高負荷伝動での使用を前提に耐摩耗性クリーンナイロン帆布を使用している。いずれも心線には高弾性で耐久性に優れているカーボンが採用されている。

伝動能力では、S3Mにおいては、伝動負荷400㍗、駆動プーリ歯数26歯、従動プーリ歯数32歯、駆動プーリ回転数2000回転/分の条件下において、ベルトサイズ300㍉でSTS(ベルト幅12㍉)比で、Ceptor―X(同7㍉)では1・8倍を発揮する。S5Mにおいては、伝動負荷4・0㌔㍗、駆動プーリ歯数26歯、従動プーリ歯数32歯、駆動プーリ回転数2000回転/分の条件下において、ベルトサイズ560㍉でHP―STS(同25㍉)比で、Ceptor―X(15㍉)では1・8倍の能力差が引き出される。

カーボン心線を採用していることから、高弾性(伸びにくい)で、位置決め精度およびレスポンス特性が向上、歯飛び防止にも有利。高弾性であることから、スキップトルクが向上(Ceptor―Ⅳとの対比でS3M、S5Mともに1・5倍)しており、過負荷時のスキップに対する安全率も高い構造となっている。駆動と従動の回転数のズレである位相差が早く治まり、減衰特性に優れている(ガラス心線に対して20%低減)ことから、ロボットのレスポンス性向上に大きく寄与。同社のレスポンス試験によると、Ceptor―Ⅳに対してS3Mで34%、S5Mで33%向上させることができる。クリーン帆布を採用していることでベルトによる粉落ちを抑制、従来は摩擦係数を高めるために施されている特殊コーティングが落下するという課題があったが、新帆布の開発によって解決した。

ウェビナーでは粉落ちの確認で活躍した異物解析装置「BANDO DEC―20」を紹介。クリーンルームの空気中、機械の稼働などにおいて、異物はトラブルの原因になることから、簡単に異物を検査できるコンセプトで開発された製品として市場展開されている。