2022年11月25日

【ゴム・樹脂コンベヤベルト特集】
三ツ星ベルト

Tailor note
手軽に設備部品管理

三ツ星ベルトにおける搬送用ベルト事業の2023年3月期の第2四半期までの販売状況については、需要市場である食品業界や物流業界が回復局面にあり、同社の新製品の売り上げも好調に推移。売上高は前年同期比で1ケタ台後半程度の割合で増加した。カテゴリー別では、樹脂コンベヤベルトは比較的堅調に推移。食品業界向けは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響も少しずつ落ち着いてきている。補修用の売り上げはやや伸び悩んでいるものの、食品機械への組込用の売り上げは安定。物流業界向けは、大型倉庫向けの売り上げが増加した。空港設備関連については、東京オリンピック前に整備が終了、案件は一段落している。ゴムコンベヤベルトの販売についても、特殊用途の売り上げが増加している。

当面の課題としては、半導体供給の懸念に加え、特に原材料価格や物流費の高騰による問題が深刻化。原材料価格高騰については、企業努力だけで吸収することは困難であると判断し、本年9月1日受注分から10%以上の製品価格の値上げに踏み切った。製品の安定供給を第一に考えた決断であり、今後の品質の維持向上にもつなげていく。新型コロナ感染症の影響や、ウクライナ情勢などといった問題の先行きについても依然として不透明な状況が続くと見込んでおり、慎重に見極めながら対応を図っていく。

行動規制が緩和される傾向にある最近の情勢にあって、オンラインでの開催に切り替えていた販売店とのコミュニケーション促進を目的に各地区で開催している「きら星会」についても、今後は会場への開催に戻す方向で進めるなど、対面での催しを徐々に広げていく計画。

同社では、6月に東京で開催された「FOOMA JAPAN 2022(国際食品工業展)」に今年も出展。今回は、6月に新たなサービスとしてリリースされた衛生工程管理(HACCP)対応にも一役担う部品管理ウェブアプリケーションサービス「Tailor―note」の利便性などをアピールした。顧客である食品工場の工務課の従事者による、設備部品の管理に関する悩み事をヒントに開発された。

生産設備に欠かせない設備部品の管理を4つの機能でサポート。取付部品の在庫管理に関しては、在庫管理機能を用いて設備部品の在庫切れを防止。QRコードを用いて入庫登録できる。取付管理においては、取付管理機能を用いることによって機器に取り付けている部品を一覧で確認可能。アカウント間で同期や連携を行うこともできる。点検管理機能を備えており、点検項目のカスタマイズが可能。アプリ内で点検記録ができるため、ペーパーレス化も推進される。管理表機能を利用することで、部品の在庫数、機器に取り付けている部品、点検の履歴を検索することができ、検索した内容はCSV形式による出力や保存ができる。パソコンやスマートフォンなどといったさまざまな端末に対応しており、新たな機器の購入や工事も必要としないことから、簡単に低コスト、短期間で導入が可能。インストールやアップデートも不要。クラウドシステムを利用しており、リアルタイム更新が可能で、複数端末で共有することができる。常時監視を行っていることから、セキュリティのレベルも高い。QRコードシステムにより、QRコードを作成し、管理できることから、QRコードを用いて設備部品の入庫・取付・機器の点検を効率化。点検記録や管理業務にかかる時間を削減できる。

このほかFOOMA JAPANでは、改正食品衛生法に適合した製品の展示を行うことによって、〝食の安全〟への提案を実施。「フリースパン」ベルトにおいて食品搬送用途のブルータイプを出展した。改正食品衛生法に適合した原材料を使用しており、樹脂コンベヤベルト「Tailorbelt」のブルーベルトと合わせることで、工場内の搬送用ベルトをブルーに統一できる。改正食品衛生法に適合していることから、食品を直接置いて搬送することが可能で、厚生省告示第370号(ポジティブリスト)に収載された原材料を使用。自然界の食品の色としてはほとんど存在しない鮮やかなブルーを使用することで異物や残滓の発見、清掃効果の確認に適している。抗菌・防かび性を備えており、耐湿熱に優れたポリウレタンを採用していることから、主な用途としてパンや菓子生地の搬送、食品や医薬品などの包装品の搬送に適している。

さらに樹脂コンベヤベルトのTailorbeltにおいて、グローバルな食品衛生法に適合した「ママラインUW」シリーズを出展。国内の食品衛生法への適合(ポジティブリスト適合)はもちろん、欧州のPIM規格、米国のFDA抽出試験にも適合していることから、食品に直接触れる用途にも安心して使用できる。表面加工として3パターンをラインアップ。平面タイプは、白とコバルトの2色を用意しており、幅2000㍉㍍まで対応が可能。主な用途として、パンや菓子生地の搬送や包装ラインを想定している。サークルコーンパターンならびにウェイブパターンの特長は、高グリップで洗浄も容易であることから、主な用途として食肉や魚などのスライサーの送り込み部分に適している。

技術的な側面からは、樹脂コンベヤベルトの加工として、業界初の「レーザマーキング加工」を提案。ベルトにレーザ光を照射してマーキングすることから、他のプリント加工では対応できないベルト品種への加工も可能としている。搬送物をベルト上の所定の位置に置くためのマークや、ベルト回転時の警告表示などで効果を発揮。自社のロゴマークなどの加工もできるなど、適用範囲は広い。搬送物(パン生地や菓子生地、ダンボール)の位置決めやベルト回転時の警告、展示会におけるマークのPR用など、幅広い用途での可能性を備えている。