2022年11月25日

【ゴム・樹脂コンベヤベルト特集】
ニッタ

搬送製品ラインアップ拡充
ユーザーの要望に対応

ニッタが手掛ける搬送用ベルトの直近の需要動向は、今期の第2四半期は前年同期比2ケタ増となり、当初の計画値も上回って今期の中盤を折り返した。厳しい環境も予想していたものの、引き続き物流業界が好調な業績をけん引した。ECビジネスの活況が継続しており、配送期間の短縮も社会的ニーズであることから、物流拠点の新設および改造案件が増加。それに伴って搬送用ベルトの需要も高まっている。同社においては、既にコロナ禍前である2019年の実績を上回っており、通期においても、先行き不透明ながらも前年レベルは超えると予測している。

同社では、搬送製品のラインアップ拡充に注力しており、NLG(ニューライトグリップ)としてはオールインワンベルト「WEXU」「LBEU」、ポリベルトはFDA適合の「XH―F」、カーブコンベヤは正逆運転が可能な「ECシリーズ」などを取りそろえ、それらをベースに追加工などのカスタマイズ対応によってユーザーの要望にこたえていく。

6月に開催された「FOOMA JAPAN 2022(国際食品工業展)」に今年も出展した。「来場者からは〝最新の情報を知りたい〟という意識をくみ取ることができ、対面にて接することでさまざまな意味で成果を得ることができた」(工業資材事業部ベルト事業グループ営業部営業部長・中路国弘氏)。

また、ウェブも有効活用することによって、情報発信やニーズのくみ上げを効率的に行っていく方針。10月に開催した販売代理店を対象にした勉強会「ニッタスクール」もリモートで開催し、遠隔地からの参加が容易になるというメリットを生かしている。同社のホームページにおいても、動画の割合を増やして充実させるなど、情報発信機能を強化している。

同社では、原材料や物流・エネルギー価格の高騰による収益圧迫要因によって予想を上回るコスト高の状況が続いているため、安定供給の継続を目的とし、10月から搬送用ベルトの値上げを実施。それでも収益環境は依然として厳しい状況に置かれているものの、引き続き生産性向上やコストダウンに取り組んでいく。