住友ゴム工業
泉大津工場でイベント
防災啓もう&モータースポーツ
住友ゴム工業(山本悟社長)は11月10日、大阪府泉大津市の泉大津工場(中村明弘工場長)において、従業員による社会貢献・交流活動である「GENKI活動」の一環として防災啓もうイベントを実施した。これに加え、モータースポーツイベントとして「Modulo Nakajima Racing Honda NSX―GT」の車両展示と、同社が15年以上継続してサポートしているModulo Nakajima Racingの中嶋悟監督、伊沢拓也選手、大津弘樹選手によるトークショーを開催した。イベントには、同社従業員71人と近隣の泉大津市立戎小学校5年生75人の計146人が参加した。
今回の防災啓もうイベントは、臨時避難所協定を締結している泉大津市の協力の下、防災に触れる体験をすることで災害への備えを考えるきっかけづくりとなることを目的に開催。イベントの開会にあたって中村工場長は「地震はいつ起こるか分からない。そのために日ごろから備えていかないといけない。楽しみながら体験をして、有事の際にすぐに動けるようにしてほしい。また、消防士やレーシングドライバーの方々の話を聞いて、自分の将来のために〝こんな仕事をしたい〟といったイメージにつなげていってほしいと思う」とあいさつを述べた。
泉大津市の危機管理監である政狩拓哉氏は「コロナ禍において行政だけでは避難所が足りなくなり、泉大津工場と臨時避難所協定を締結した。全国をみても工場に避難所があるケースは珍しい。コロナ禍以前は工場を避難所として借りることは考えていなかったが、工場には車中泊ができる広い駐車場や大浴場があり、学校よりも避難所に向いている要素があることに気が付いた。関係がないと思っていたことでも災害に役立つことがあり、何事も柔らかい頭で考えていってほしい」とコメントした。
同社では2020年6月に泉大津市と「臨時避難所協定」を締結。新型コロナウイルスの感染拡大により、災害時の避難所運営にも変化が求められるようになっており、大きな災害が発生した際に避難所の3密を避ける必要性が重視されるようになった。そうした目的から同社との間で、体育館をはじめとする駐車場や大浴場等といった泉大津工場の各施設を避難所における課題を解決できるマルチ型臨時避難所として活用する取り決めを行った。イベントでは、同社従業員や泉大津市スタッフから説明を受けながら、参加小学生が簡易テントや段ボールの簡易トイレの組み立てを行う作業を体験。消防士から救助工作車について学ぶなど、関心に満ちた雰囲気の中で、参加者全員が積極的に取り組んだ。
モータースポーツイベントについては、同社のモータースポーツ活動の取り組みについて、従業員に一段と身近で知らせる目的に加え、近隣住民からの興味も呼び込めるようSUPER GTの車両展示に加え、Modulo Nakajima Racingによるトークショーを開催。トークショーでは、伊沢選手から「走っているのは2人だけど、タイヤをつくる人をはじめレースには何百人もの人々がかかわっている。その人たちの思いを乗せて走っているとプレッシャーも大きい」という選手ならではの実感が聞かれたほか、大津選手からは「優勝した時のうれしさが忘れられなかった」などレースに対する思いや魅力、レーシングドライバーになったきっかけなどといった話が披露された。中嶋監督からは「タイヤは黒くて丸いものだけど目には見えない違いがある。0・1秒の差を突き詰めてつくっているのがレースタイヤ」とタイヤに対する賞賛のコメントも述べられた。
車両展示コーナーでは、車両の周りを囲うほど多くの人でにぎわった。伊沢選手から車内にあるさまざまなボタンの役割や乗降方法などについての説明を受け、運転席への乗車体験も実施。社内へのモータースポーツ活動の盛り上げに加えて、参加した小学生にとっても貴重な体験となった。