2022年12月5日

墨東ゴム工業会、九州ゴム工業会、兵庫ゴム工業青年クラブ
3団体の交流会を開催

CERI東京事業所を見学

墨東ゴム工業会(霜田知久会長)、九州ゴム工業会(中島幹雄会長)、兵庫ゴム工業青年クラブ(丸山高史代表幹事)の3団体は、昨年はコロナ禍によって開催の延期を余儀なくされた3団体の交流会を、11月25日開催した。今回の交流会のメーンの企画としては、一般財団法人化学物質評価研究機構東京事業所(埼玉県北葛飾郡杉戸町)の見学会を実施。集合地である東京・浅草近辺から2台の貸切りバスに分乗し、総勢38名の参加者は現地へと向かった。

視察を行った化学物質評価研究機構(CERI)は、化学物質に関する試験・検査、評価、研究・開発などを通して化学物質の品質向上と安全性の確保と環境保全を図り、それらによって産業の健全な発展と、ひいては人々の生活の向上に寄与することを目的として活動している。人と化学と環境の調和を〝基本理念〟としており、公正かつ中立的な第三者機関として優れた技術スタッフが最新設備を駆使して産業界の研究・開発を支援。クライアントの技術的な問題点を解決へと導くための取り組みや試験を日々、実施している。同東京事業所において機構の沿革と概要の説明を行った百武健一郎理事・高分子技術センター長は「設立75年の歴史の中で培った豊富なデータと評価技術でお役に立つため、われわれは活動している。東京事業所高分子技術部、大阪事業所、名古屋事業所で構成される高分子技術センターではゴム・プラスチックの機能材料の試験や商品試験を一貫して行えることを最大の特長としており、環境保全、化学物質の安全性などの諸問題についてお困りごとがあれば最先端の技術とノウハウでバックアップしていきたい」と述べ、ゴムに配合されたフィラーのX線ビームによる構造解析など高分子技術センターが手掛けた最近の業務事例も紹介した。

引き続き、高分子技術部主管研究員・工学博士の菊地貴子氏が「ゴム・プラスチックの生分解性評価」をテーマに講演。同氏は海洋プラスチックごみの問題をめぐる国内外の動向や、バイオプラスチックの果たす役割、化学物質の生分解性試験の概要などについて映像を用いながら詳細な説明を行った。講演終了後は参加者は4班に分かれ、同事業所研究スタッフの案内で各部門のラボをくまなく見学した。

見学会の終わりにあいさつに立った墨東ゴム工業会の霜田会長は「東京事業所に伺ったのは初めてだったが、設備の充実度に非常に驚いた。われわれもこのような機関で試験をして頂いて、良い製品を世の中に供給していけるメーカーになっていきたい」と感想を述べ、参加者一行は所員に見送られながら化学物質評価研究機構を後にした。