2022年12月20日

西部工業用ゴム製品卸商業組合
第26回ホース流通動態調査

売上高は安定した状態

西部工業用ゴム製品卸商業組合(小島孝彦理事長)は11月25日、大阪市北区の中央電気倶楽部で「ホース商工懇談会」を開催し、本年10月に実施した「第26回ホース流通動態調査」の集計結果の発表を行った。今回の回答社は38社で、対象品目はゴムホース、高圧ホース、樹脂ホース。発表は、同組合ホース部会の加藤廣部会長によって行われた。

調査によると、最近の6カ月間の売上高の状況については、ゴムホースの編上・その他ともに横ばい(100%)がトップでそれぞれ全体の44%、39%、ほぼ順調(105%)、やや落ちている(95%)がおおむね同率の割合で続いており、大きな変動が生じていない状況を示した。高圧ホースについてはゴム・ナイロンともに横ばいがトップで、それぞれ38%と47%、樹脂ホースも40%と同様の水準となっており、売上高は安定した状態で推移している。価格競争状態の推移については、ゴムホースのその他、高圧ホースのゴムは「あまり問題ない」がトップ、次いで「まあまあ」「やや乱れている」といった回答が比較的多かった。「全然問題ない」の回答はなく、「やや乱れている」という回答が増加している傾向が示された。

最近のホースの販売価格、仕入価格についての意見としては「2次値上げの価格転嫁が厳しい」「値上げ幅が大きい」「一部値上げについて了解を得ることとなっているが、決定日は未定」「各メーカーの値上げが2次、3次とラッシュ」「エネルギーコストやウクライナ問題により購入価格が高騰」「各メーカーによって値上げが実施され価格転嫁はしているが、値上げによる販売金額の幅がさほどでもなく、販売金額が伸びない、販売量が落ちている」「価格改定による流れ品の価格アップ(客先との価格折衝がうまくいかない)」「各メーカーからの値上げ依頼に対する対応で大きく時間を取られている」「値上げが一般的に浸透してきている」「樹脂ホースは2次値上げ実施済み」「度重なる価格改定により、販売価格と仕入れ価格の適正価格がつかめなくなっている」「値上げの改定率が非常に高い」「毎年、価格改定が実施されている」「2~3割値上げしている」「樹脂ホースメーカーが強気に価格アップを実施」「仕入れ価格の値上げがキツい」といった内容が寄せられた。

次の6カ月間の売上高予測については「今後は横ばい」が全品目でトップ、特にゴムホースは過半数に上り、他の品種も同様に半数がそれに近い割合を占めている。このほか、年率10%からそれ以上、5%程度伸長するという見通しが目立っており、先行きの明るさがうかがえる。市場価格について「やや乱れる」「まあまあ」が主流を占めた。

輸入品による影響については、全品目ともに「取り扱いなし」がトップ。全体の70~80%が全く取り扱っていない。それを裏打ちするように輸入ホースの価格については「安くも高くもない」という結論に近い数値が示されており、為替の影響もあって「国内外の製品価格差が縮まっている」(加藤部会長)という背景がありそうだ。

ホース販売上の問題点については、いずれの品種とも「粗利率が低い(売り上げ対比)」「競合先が多すぎる」「価格競争が激しい」「需要が少ない」といった項目への割合が多く、ホースの販売業界を取り巻く厳しい環境を示している。