2023年3月10日

積水化学工業
大阪本社全面リニューアル開始

働きやすさと働きがいある職場へ

積水化学工業(加藤敬太社長)は、従業員の働きやすさと働きがいを両立する職場づくりと、建築物の長寿命化によるライフサイクルCO2の排出削減を目指し、築50年を経過する大阪市北区の同大阪本社(堂島関電ビル)のリニューアル工事を、関電不動産開発(本店・大阪市北区、藤野研一社長)と共同で3月に開始する。

今回のリニューアルでは、「CASBEEスマートウェルネスオフィス認証」における最高位評価であるSランクを取得。CASBEEスマートウェルネスオフィス認証は、建物利用者の健康性・快適性・知的生産性、建物の省エネ環境・安心・安全に関する性能を多角評価する制度で、築30年を超える建物におけるSランク取得は初めての事例となる。

リニューアルする建物では、建築物、インフラの安全性や耐久性、環境性能に貢献する製品を提供している同社グループの製品を20品目以上採用。安全性、防犯性に寄与する合わせガラス用中間膜「S―LEC」や、火災が発生すると瞬時に5~40倍に膨張して断熱層を形成する耐火材「フィブロック」などで、2025年の実用化を目指して開発中であるフィルム型ペロブスカイト太陽電池も設置する予定。

同社グループは、従業員全員がそれぞれの持ち味を発揮できるよう、働きやすさと働きがいを両立する職場づくりを目指している。今回のリニューアルは、そのための取り組みの一つと位置付けており、〝ニューノーマルを体現するオフィス空間づくり〟〝従業員の個性や価値観を大切に、一人ひとりが活躍できる空間づくり〟〝快適性、安心・安全対策と『積水』を表現する外装の両立〟を実現する。

新しい働き方への対応に加え、能動的に働くことができる執務空間を構築。業務効率化も含め生産性向上に寄与するとともに、Well―Beingにつながるワークスタイルを目指す。1階に通用口としてサブエントランスを整備するとともに、バリアフリー動線を設ける計画で、2階受付にはオールジェンダー対応トイレを整備することで、多様性を尊重した空間を実現させる。

Low―E複層ガラスの採用による高い断熱性能と日射遮へい性能により、室内の快適性を向上。自然換気口を設けることで感染症対策を可能とする。外装はひさし効果による日射遮へいの効果を図ると同時に、同社社名の由来になっている孫子の〝勝者の戦は積水を千仭(せんじん)の谿(たに)に決するがごときは形なり〟にある満々とたたえた積水を表現するデザインとし、水都大阪の新たなランドマークとして位置付けられることを目指している。

築50年を超える老朽化した建築物を高性能なものへとリニューアルし、長期間使用し続けることによって、ライフサイクルを通じたCO2排出削減に貢献。今回のリニューアル工事において使用される建築資材量を建て替えの場合と比較すると、一般的に60~80%のCO2排出量の削減が可能となる。同社グループは、〝活力あふれるいい会社〟の実現に向け、これからもすべての従業員のWell―Being達成を目指し、多様な人材が活躍できる、働きやすさと働きがいを両立する職場づくりを推進。持続可能な社会の実現に向け、さまざまな機会を通して廃棄物の削減とリサイクルに取り組んでいく。

【リニューアル工事の概要】
▽所在地=大阪府大阪市北区西天満2―4―4
▽竣工=72年6月
▽構造規模=SRC造 地上12階・地下2階(同社本社フロア1~5階・8~11階)
▽建物所有者=関電不動産開発
▽建物設計施工=大林組
▽内装設計施工=スペース
▽工期=23年3月~25年4月(予定)
▽仮移転先=同建物2階および関電不動産梅田新道ビル5階