横浜ゴム
オフハイウェイタイヤ企業の買収完了
農業機械・産業車両用タイヤ製販
横浜ゴム(山石昌孝社長)は昨年3月25日に発表したスウェーデンに本社を置く農業機械用や産業車両用タイヤなどを生産販売するTrelleborg Wheel Systems(以下、TWS)の全株式の取得について、同社の株式を保有するTrelleborg AB(ピーター・ニルソンプレジデントアンドCEO)より5月2日に取得を完了したことを発表した。
本買収は、2021~23年度までの中期経営計画「Yokohama Transformation2023(YX2023)」において、タイヤ生産財事業の“さらなる成長ドライバー”と位置付けており、タイヤ生産財の中でも安定的に高い収益を確保できる事業であるオフハイウェイタイヤ(OHT)事業の拡大のために実施された。
横浜ゴムは本買収によって現在2:1になっているタイヤ消費財とタイヤ生産財の売上構成比を世界市場規模に合わせて1:1に適正化するとともに、タイヤ商品やサービスの研究開発、生産、販売、品質、サステナビリティなどすべての領域において横浜ゴムとTWSの強みを融合し、OHT事業のさらなる成長に取り組んでいく。
今回の買収について横浜ゴムの山石社長は「TWSは当社に幅広い商品とブランドポートフォリオ、グローバルな販売・生産拠点やサービス体制、市場をけん引する高い技術力、有能な人材などをもたらし、世界のトップタイヤメーカーへの飛躍を可能とする。今回TWSを横浜ゴムグループに迎え入れ、将来一緒に成長することを楽しみにしている」とコメント。Trelleborg ABのニルソンプレジデントアンドCEOは「TWSは過去数年の間に事業規模を2倍以上に拡大し、収益性も大幅に向上させてきた。OHT分野では統合が進んでいるが、TWSは横浜ゴムの既存の事業を多面的に補完する価値ある存在となるでしょう。新しい企業体として成功することを心より願っている」と述べている。
横浜ゴムの連結決算への業績反映は23年第2四半期より行われる予定で、業績に与える影響については現在精査中。
【TWS概要】
▽本社所在地=スウェーデン・トレルボルグ
▽生産拠点=14拠点(イタリア、チェコ3拠点、ラトビア、セルビア、スロベニア、スリランカ、中国、米国2拠点、ブラジル)
▽販売拠点=40
▽主要事業=農業機械用、産業車両用タイヤなどの生産販売
▽主要商品ブランド=TRELLEBORG、Mitas
▽22年度売上高=132億7700万スウェーデンクローナ(約1725億円)
▽企業価値=20億7400万ユーロ
▽従業員数=6621人(22年12月末時点)
【Trelleborg AB概要】
▽本社所在地=スウェーデン・トレルボルグ
▽設立年=1905年
▽資本金=26億2000万スウェーデンクローナ(約340億円)
▽主要事業=ポリマー技術を活用した産業用ゴム商品の生産販売
▽22年度売上高=300億9500万スウェーデンクローナ(約3909億円)
▽従業員数=1万6701人(22年12月末時点)