ハリマ化成グループ
PAM系紙力増強剤「ハーマイドT2」開発
世界三大食品包装材料規制に対応
ハリマ化成グループ(長谷川吉弘社長)は世界の食品包装材料規制として、米国・FDA(米国食品医薬品局)、ドイツ・BfR(ドイツ連邦リスク研究所)、中国・GB9685の三法規制に準拠する、新たなポリアクリルアミド系紙力増強剤「ハーマイドT2」を開発した。両イオン性のポリアクリルアミド(PAM)は従来から存在しているが、三法規制に対応する間接食品添加物としての認証を取得した、高分子量かつ両イオン性を有するPAM系紙力増強剤は世界初となる。
PAM系紙力増強剤は、パルプを抄紙する工程において、段ボールの素材となる板紙や印刷用紙や食品包装用紙に必要となる乾燥紙力を向上させる薬品。ポリマーの高分子量化、カチオン基やアニオン基の配置の最適化により、乾燥紙力増強剤としての優れた機能を持ち、広範囲な使用条件下での効果を生み出す。世界的に古紙の利用率が高まっている現在、リサイクルによって損なわれるパルプ繊維間の結合力を補い、再生された紙の強度を保つことに大きな力を発揮する。さらに、プラスチック使用量の削減を目的とした紙素材活用の観点からも効果的となっている。間接食品添加物として、米国のFCN(食品接触物質届出制度)にも登録済み。
用途としては食品包装用紙等、世界各国の食品包装材料規制に対応した紙や板紙の抄紙工程(乾燥紙力増強剤や濾水歩留まり向上剤としても使用可能)が挙げられる。
同社のPAM系紙力増強剤のハーマイドは、FDAとGB9685の認証を取得した両イオン性の「KS」シリーズ、三法規制に対応しているアニオン性の「C―10」があり、必要とされる法規制対応や機能等、多様化する市場の要望にこたえている。紙に耐水性を付与するロジン系サイズ剤では、エマルション型の「NeuRoz」シリーズ、水溶液型の「ハーサイズL―50」が、三法規制に対応している。また、紙素材に耐水性や耐油性、ヒートシール性を付与するバリアコート剤は、ハイコート「BC」シリーズがFDAとBfRの認証を取得済み。製紙工程において木材パルプに由来するピッチトラブルを防ぐピッチコントロール剤「AS―02」も、FDAとGB9685の認証を取得している。
同社では今後も海外諸国の法規制への対応を進め、安全性と機能性を高めた製品ラインアップを充実させ、グローバル展開を加速させていく。