2023年6月20日

アシックス
「第8回インベストメントデイ」

テーマは「インド・アジアにおける成長戦略」
早期に100億円以上へ成長

アシックス(廣田康人社長CEO兼COO)は6月6日、会場とライブ配信のハイブリッドにより、事業説明会「第8回インベストメントデイ」を開催した。今回、同社がスポーツブランドとしてさらに成長していく上で欠かすことのできない重要市場と考えている「インド・アジアにおける成長戦略」をテーマに行われた。

冒頭、廣田社長は「インドを含む東南・南アジアは成長が著しく、今後アシックスの成長ドライバーの一つとなることが期待されている。今年1月に私もインドに出張し、今後のインド成長戦略についての議論をマネジメントチームと行い、ムンバイではマラソンにも参加し、多くのインドランナーと触れ合うことができた。先月にはインドネシアにも行き、工場とマーケットの視察を行ってきた。両国とも今後の成長ポテンシャルがしっかりあると体験した」と、あいさつを述べた。

引き続き廣田社長が新興国での成長戦略について説明。新興国での積極的な取り組みは同社が「中期経営計画2023」の中で方針として掲げている「収益性を高め、将来の持続的成長のために安定した財務基盤」を確立、また重点戦略にある「収益事業の拡大」の一環でもある。新興国市場では今後も安定的に高い経済成長が見込まれ、消費者の購買力が高まっていくことが予測され、スポーツ市場における需要拡大が期待される。

同社では、経済成長・人口・平均年齢・積極的な世界的スポーツイベント開催などの観点から、特にインド・インドネシア・中東市場に対して重点的に取り組みを進めている。それぞれの地域に販売会社を設立し、より迅速な意思決定、戦略立案・実行を推進していくため、これら地域販社を本社の直轄とし、現地と本社が一体となって事業拡大へ取り組んでいる。コロナ禍の影響を受けたものの、20年度の48億円と比較して23年度は127億円と3倍近くの売り上げ規模を計画。ASICS Storeの出店を通じて販路・ユーザータッチポイントを拡大し、ブランドメッセージ発信拠点に据える。店舗数についても20年は合計65店舗だったが、23年には合計138店舗と2倍超になると見込んでいる。東南アジアを中心に、人気の高いオニツカタイガーブランドでもオニツカタイガーストアの主要都市、プレミアムモール、ハイストリートへ戦略的に出店を行う。同時にNIPPON MADEなど高付加価値アイテムを展開し、先進国同様にプレミアムブランドしてのポジションを確立する。このほか、現地においてさまざまなグラスツール活動を行い、スポーツ・ランニング文化やコミュニティの醸成を図る。今後の目標としては、インドを皮切りに各重点市場の事業規模を早期に100億円以上へ成長させ、営業利益率2ケタ以上の高収益体制の構築にも努める。

続いて、フットウエアの生産体制についてフットウエア生産統括部長の松田伸司氏が説明。基本的に同社は自社工場を持たず、外部パートナーに生産を委託しており、生産拠点は大きく2つに分類される。一つはグローバルで販売されているグローバル商品の生産拠点で主に東南アジア地域に所在。東南アジア地域におけるアシックスの総生産量に対するシェアはベトナム49%、インドネシア27%、カンボジア15%と合計91%と大半を占める。一方、ブラジル、中国、インドには現地販売用商品の生産拠点が所在しており、いわばフットウエアの地産地消を行っている地域と言える。松田氏は「ベトナム・インドネシア・カンボジアでの最適バランスを考えたグローバル目線での生産戦略を実行していきながら、アシックスの成長ドライバーであるブラジル、中国、インド、インドネシアなどの販売会社の今後のビジネス拡大を現地生産を通じてサポートしていきたいと考えている」と述べた。

インド事業の現状、成長計画についてはアシックスインディアのラジャット・クラナマネージングディレクター、カヴィタ・ゴヤルシニアディレクターが説明を行った。今年4月19日の国連の報告書によると、インドの人口は14億2900万人に達し、中国の14億2500万人を上回った。このうち人口の半分が28・4歳未満で、将来的にこの世代の若いインド人が最大の消費者となり、同国のシューズ市場全体は23年度に252億米㌦になると予想を立てている。このような状況を背景に、アシックスインディアでは23年度には売上高5300万米㌦に大きく増収する計画で、26年度までに売上高1億米㌦達成を目指す。今後についてクラナマネージングディレクターは「戦略を着実に実行するためにインドにおいてブランドの熱量を強化していく。そしてポリウッドセレブとスポーツイベントをタイアップしていき、私たちのブランド力を向上させる。製品についてはお客様に対して最新のイノベーションに満ちた製品を提示し、製品のプレゼンスを拡大する。3つ目は顧客中心主義で引き続き消費者に焦点を当てながら、デジタルファーストの会社としてイメージを打ち出していく。このデジタル変革と組織の効率も重視していく。私のビジョンはこの国においてインスピレーション、アスピレーションにあふれたブランドに育てていき、このビジョンを現実のものにしていく」と締めくくった。