DIC
カナダの半導体関連会社買収
フォトレジスト材
低金属化・高純度化を実現
DIC(猪野薫社長)は、カナダで半導体フォトレジストポリマーの製造・販売を営むPCAS Canada社(所在地・カナダ・ケベック州、以下、PCAS―C社)の全株式を、フランスのPCAS社から6月1日付けで取得した。
近年、半導体市場は世界的に成長を続けており、IoT、ビッグデータ、人工知能といった新たな情報技術の開発・普及にあたり、その重要性はますます高まっていくと予想されている。こうした中、DICは長期経営計画「DIC Vision2030」で掲げたデジタル社会への貢献に向けて、半導体の製造工程に欠かせないフォトレジスト(半導体製造やディスプレイパネル製造の分野で使用される特殊な感光性材料)材料の事業拡大をデジタル分野の重要戦略の一つと位置付け、最先端の半導体フォトレジストポリマー(フォトレジストの主成分である特殊なポリマ)の開発に取り組んできた。
今回買収したPCAS―C社は、カナダに生産拠点を持ち、半導体フォトレジストポリマーに求められる低金属化・高純度化を実現する優れた製造技術と量産ノウハウを有している。この製造技術と、DICの強みである合成技術を融合することによって技術革新が継続する半導体市場のニーズにこたえ、社会のデジタルイノベーションに貢献することを目指す。
買収後は社名を「Innoⅴation DIC Chimitroniques Inc.」(英語名・Innoⅴation DIC Chemitronics Inc.)に変更し、最先端プロセスに対応した製品開発の加速、設備投資による供給体制の強化、北米とアジアの顧客ニーズにこたえる組織体制の構築を進めることにより、半導体の成長と普及を材料供給の面から支えていく。
【買収企業・PCAS―C社の概要】
▽所在地=カナダ・ケベック州サン・ジャン・シュール・リシュリュー市
▽設立=1989年
▽売上高=3200万カナダ㌦(22年度実績)
▽従業員数=87人(23年3月末現在)